応用課程 開発課題20周年史
配筋した.また,型枠の施工精度を高めるために型枠の 組立てには木ネジを使用した. 図 8 に示すように打設した壁を建て込む際に転倒防 止の支保工材の取付け用に一定間隔でセパレータ及び Pコンを設置した.設置したPコン及びセパレータは壁 接合部の鉄筋を溶接した後に充填するモルタル用の型 枠としての役割も兼ねている. 打設後の壁揚重用に T 型の PC インサート(許容耐力 役1.4t/個)を上部に2か所設置した(図9).接合部と なるコッター部にはスタイロフォームを設置し(図10), 脱型後の鉄筋溶接用スペースを確保した. 図7 コッター筋固定穴 図8 PCa壁の配筋 図9 PCインサート 図10 スタイロフォーム 3.4 機械継手 底盤と壁を緊結するために,図 11 に示すモルタル充 填式機械継手(東京鉄鋼(株)製トップスジョイント) を採用した.構造設計で求めた応力を基に,各壁に D13 の鉄筋用継手を4か所ずつ取付けた.品質検査用に図12 に示す引張試験体も同時に製作した.また,引張試験用 の試験体は正常に施工されたもののほかに施工不良に よる影響を検証するために規定以上の鉄筋のずれが生 じたものや挿入長さが不足しているものも製作した. 図11 トップスジョイント 図12 機械式継手引張試験 3.5 PCa壁の打設 平滑な型枠を設置するために,13 号棟実習場内に,図 13 に示す根太材を配置し,その上に型枠を組み,PCa 壁 の製作を行った.また,アジテータ車の大きさや,実習場 内の空きスペースを考慮し,打設計画を行った(図14). コンクリートは強度 24N/mm 2 ,スランプ値を 15cm とし, 底盤同様に品質管理 2),3) を行った結果,設計強度が十分 に得られていた.壁 9 枚分で合計 4.5m 3 のコンクリート を打設した. 図13 根太材設置 図14 打設風景 3.6 接合用鉄筋施工及びベースモルタルの設置 底盤と壁を緊結するためにケミカルアンカーを使用 して,図15に示す接合用鉄筋を設置した.接合用鉄筋固 定に後施工アンカーを使用した理由は,将来的に容易に 解体可能とするためである.後施工アンカーによる差筋 設置の際には鉄筋探査機により,底板の鉄筋の位置を確 認した上で設置した. 壁の建方の前に底盤の不陸調整用に,図16,17に示す ベースモルタルを設置し,PCa壁の高さ調整を行った. 図18に示すようにPCa壁設置の際に使用する支保工 材を固定するために専用の金物をルーティンアンカー により固定した. 図15 接合用鉄筋 図16 ベースモルタル打設 図17 ベースモルタル設置後 図18 支保工材固定金物 3.7 PCa壁の現場への運搬 現場までのPCa壁の運搬は,実習場内は天井クレーン を使用して揚重し(図19),現場での荷卸しにはトラ ッククレーン(図20)を用いた.建方を効率よく実施 するために, 配置計画を作成し,荷卸し場所やPCa壁の 積み重ね方法などを決定した. 図19天井クレーンによる荷吊り 図20現場への壁配置 固定穴 スタイロフォーム PCインサート セパレータ Pコン トップスジョイント 根太材 型枠底板 245
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