応用課程 開発課題20周年史

*1 関東職業能力開発大学校 建築施工システム技術科 *2 関東職業能力開発大学校 応用課程 建築施工システム技術科 PCa 工法を用いた資材収納用屋外倉庫の施工及び施工管理 山之内 隆志 *1 阿部 一輝 *2 牛木 大地 *2 小島 裕也 *2 島野 力 *2 中田 怜汰 *2 1. はじめに 高層建築物において鉄筋コンクリート造(以下:RC造 と称す)の施工方法では,工場でプレキャスト鉄筋コン クリート(以下:PCa と称す)部材を製作後に現場に搬 入し,クレーン等の揚重機を使用して建方を行うPCa鉄 筋コンクリート造(以下:PCa 工法と称す)が多く用い られている.PCa 工法を用いることでコンクリートの打 設が天候の影響を受けず, 安定した品質確保ができ, かつ工期短縮や現場作業の省力化につながる.本課題で は,PCa 工法を用いた壁式構造による屋外倉庫を設計, 施工及び施工管理することで,実習場内の使用頻度の少 ない部材を整理し,作業環境の改善を行うこととPCa工 法に関する知識及び技術の習得を目的とした. 2. 設計概要 資材の収納方法を検討した上で, 図 1 に示すような 完成予想とし,平面計画を図2のように決定した.スペ ースをより広く確保するために構造形式は,壁式 RC 構 造とした.また,部材に生じる応力を算出し,構造設計 1) を行い,接合部等の詳細を決定した.PCaの壁は9枚に分 割することとし,運搬性及び施工性を考慮して,壁単体 の重量が 1.5t 以下となるように設計した.屋根面はコ スト面及び工期を考慮して,構造材に鉄骨部材を使用し, 仕上げ材にタイトフレーム(折板)を使用する計画とし た. 規模・・・3m × 3.35m 最高高さ3.1m 構造形式・・・壁 :PCaを用いた壁式RC造 屋根:鉄骨造を用いた折板屋根 図1 完成予定図 図2 平面図 3. 施工・施工管理 3.1 掘削及び底盤型枠の施工 測量して掘削場所を決定し,掘削を行った.掘削場所は砕 石が転圧されており,手掘りによる作業は困難であったた め,油圧ショベル(図 3)を使用して掘削した.掘削後,型枠 を製作し,設置した.配筋はダブル配筋とし,外周部に D13 の鉄筋を使用し,中間部は D10 の鉄筋を 150mm(図 4)間 隔で設置した. 図3 油圧ショベル 図4 配筋完了 3.2 底盤コンクリート打設 打設面積は 4m×4.35m とし,コンクリートの厚みが 200mm 以上になるように打設を行った.打設計画時のコ ンクリートの使用量を 3.5m 3 と予測していたが,打設量 は4 m 3 となった.掘削深さが予定以上に深い部分があっ たことが要因と考えられる.打設の際はビーム材を用い た足場(図 5)を設置し,中央部でも十分な作業ができ るような仮設計画とした.打設したコンクリートの品質 検査 2),3) を行い,空気量が 3.3%,スランプ値が 16.5cm (図6)となり,管理許容値内であることを確認した.打 設後28日経過したテストピースの圧縮強度の平均値は 26.2kN/mm²となり,設計値を満たしていた. 図5 中央部足場 図6 スランプ試験 3.3 壁型枠の製作及び配筋 PCa 壁 9 枚分の製作用に壁型枠の加工図面を作成し た.壁同士をつなぐコッター筋の配筋が正確に行えるよ うに図7示すような鉄筋固定用の穴加工を型枠に施し, 244

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