応用課程 開発課題20周年史

242 の底面とワーク板面の隙間 0.5mm をしきい値として ON/OFF するように位置を調整した. 検査用ナットは回転可能な構造とするため,検査 用ナットとセンサブラケットの間に軸受を設けた.一 方,ボールプランジャスイッチは,回転しないが検査 用ナットとともにボルトの位置に応じて柔軟に曲がる 構造とするため,センサブラケットを上部からウレタン 棒で吊り下げた(図 13,図 14). 図 14 ボールプランジャスイッチ 4.3 検査手順 ナット締め検査のフローを図 15 に示す.ナット締め 動作では,ナット1回転ごとに M8 ボルトのリード分だ け Z 軸を送る必要がある.開発した装置では,Z軸送 り用モータのパルス出力からナット締め用モータの回 転数を算出している. ナット回転用のBLDCモータとZ軸送り用のAC サーボモータはそれぞれトルク制限値を設定してい る. 2つのモータともにト ルク制限値に達してい ない場合は,ナット締 め動作を継続する. 少なくともどちらか一 方のモータがトルク制 限値に達した場合は, 下記のいずれかが考え られるため,ナット締め 動作を停止し良否判定 に移行する. ① 正常にナット締めが 完了 ② ナット締めの途中で スパッタ等の異物に接 触または他の原因によ り正常にナットが締まら ない. 良否判定では,2つ のボールプランジャス イッチがともに ON の場 図 15 ナット締め検査のフロー 合に良品と判定する.1つだけ ON の場合は,スパッ タによりナットが傾いて停止した可能性があるため不 良品と判定する.2つともOFFの場合は,上記 ② に該 当するため不良品と判定する.良否判定後は,ナット を外し原点に復帰する. 5. 排出機能 排出機能は,ナット締め部により検査されたワークを判 定結果により仕分けるため,メインベルトコンベヤから ワークを電磁石でピッキングし,良品と不良品のいずれか のコンベヤに搬送しプレースする装置である. 5.1 ピッキング部 ピッキング部を図16に示す.メインベルトコンベヤ上の ワークは電磁石で吸着し,ステッピングモータにより所定 位置までリフトアップする. 次に,リバーシブルモータ駆動で軸移動を行い良品ま たは不良品のベルトコンベヤ(単相誘導モータ駆動)上ま でワークを移動する.軸移動をスムーズにするためリニア ガイドで支持する構造とした.その後,再びステッピング モータにより良品または不良品のベルトコンベヤ上から の所定の高さまでリフトダウンし,最終的に電磁石から脱 着しワークをベルトコンベヤ上に置く. 図16 ピッキング部 5.2 仕分部 良品用及び不良品用のベルトコンベヤを図 17 に示す. 図17 良品・不良品用ベルトコンベヤ 良品用 不良品用 電磁石 ステッピング モータ メインベルトコンベヤ メインベルトコンベヤ ボールプランジャスイッチ 軸受 242

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