応用課程 開発課題20周年史

241 図 11 検査プログラム起動画面 図 12 に検査中のモニター画面表示例を示す.操 作ボタンを左端と上端に配置する.ワークの撮影画 像を中心に表示し,右側に 2 本のボルトの画像検査 結果を上下に表示する.また,検査総数,良品およ び不良品数を表示する.さらに,画面の切替えによ り,検査履歴として過去 1 カ月間の良品,不良品数な どをグラフ表示できる. 図 12 モニター画面 3.5 ワーク画像保存 適切に検査を行ったエビデンスとしてすべてのワー クの画像を以下のように保存する. ①ワークのねじ周りをすべて撮影する. ②ローカルストレージへ 1 カ月間分の画像を保存す る. ③ネットワークストレージへの画像の保存とダウンロー ドができる. ローカルストレージとして,容量 256GB の USB メモ リに 1 カ月間分の画像を保存する.1 カ月が過ぎた データは消去し,新しいデータを上書きする.また, ネットワークストレージサービスとしてDropboxを使用 した.Dropboxの画像保存期間は 3 日間である. Dropbox からの画像ダウンロードのためにビジネス チャットツールSlackの機能を利用し,自動的にダウ ンロードする. 4. ナット締め検査機能 4.1 概要 ナット締め検査部では,2箇所の M8 ボルトに検査 用ナットを自動で締めることにより,ワークの良否を判 定する.開発した装置では,新たな検査法を探る目 的で画像処理によるスパッタの検出を試みているが, 現状ではナット締めによる検査が義務付けられている ため,本機能が必要となる. 4.2 機構 仕様のタクトタイム 15 秒/個を達成するため,ナット 締め部はボルト1本ごとに2つの工程に分けた.図 13 はボルト1本分のナット締め部である.2種類のワーク A,Bの切り替えは,段取り替えの際,ナット締め部全 体をリニアガイドに沿って平行移動することにより対応 する. 検査用ナットは,ワークのボルトを傷つけないよう真 鍮製とし,Z軸主軸(ナット回転)用にブラシレス DC モータ(以下BLDCモータ),Z軸送り用にACサーボ モータをそれぞれ用いた.これらのモータはPLCで 制御している. 図 13 ナット締め検査部 予備実験の結果,ナット回転用モータの軸と検査 用ナットを剛体で接続した場合,ナットとボルト間のわ ずかな位置ずれや傾きによりナットが正常に締まらな いことがわかった.そこで,モータ軸と検査用ナットを ウレタン棒で接続した結果,ウレタン棒が柔軟に曲が ることにより,上記の位置ずれや傾きがあってもナット 締めできる機構となった. 図 14 のボールプランジャスイッチは,検査用ナット ボール プランジャ スイッチ センサ ブラケット 固定用 ウレタン棒 センサ ブラケット Z軸送り用 ACサーボ モータ Z軸主軸 (ナット回転)用 ブラシレス DCモータ 検査用ナット 検査用ナット 固定用 ウレタン棒 リニアガイド 241

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