応用課程 開発課題20周年史

237 8.性能評価 開発した装置の開発目標に対する達成状況について 表 2 に示す.開発目標とした全ての項目について,達 成することができた.表 3 に開発した自動材料切断装 置で加工した製品の評価について示す.また,図19に 切断面の様子を比較して示す.材料長さの寸法精度は, ±0.02㎜で,平面度や直角度も±0.02㎜以下を得るこ とができた.製品表面粗さは,算術平均粗さRaで0.5 ㎛となりフライス加工面以上の値を得ることができた. 表2 開発目標の達成状況 表3 自動材料切断装置の性能評価 図19 自動材料切断装置の切断加工面の比較 9.おわりに 応用課程 2 年生の開発課題実習として,地域の中小 企業 2 社とともに加工時間自動計測システムを搭載し た自動材料切断装置の開発に開発に取り組み,装置を 完成させることができた.開発した装置は,部品加工 において,通常はフライス加工で仕上げる工程を,一 度の切断加工のみで製品を得ることができる装置を新 たに開発することができた.また,鋸刃の振れ止め機 構に新たなアイデアを取り入れることができた.更に IoT によるセンシングで加工時間を計測してモニタリ ングする機能を搭載することができた.面取り加工を 自動化する装置は数少なく、地域企業からも多くの需 要が期待できて,地域社会に貢献できるものと思われ る.開発した加工時間計測システムは企業にて検証し ていただき、今後は実用化に向けて検討していくと思 われる. この開発課題テーマの取り組みについて,令和 2 年 度の全国の職業能力開発大学校の応用課程開発課題実 習における成果物の特別賞を受賞することができた. 卒業式後の表彰式での受賞の様子を図20に示す. 図20 成果物表彰「特別賞」の受賞 本開発課題の取り組みにあたり,ご指導や助言をい ただき、ご協力をいただきました企業の皆様や客員教 授をはじめとする先生方に感謝いたします.また,課 題の開発に取り組み,装置を完成させた学生に感謝い たします. 参考文献 (1) 関東職業能力開発大学校HP https://www3.jeed.go.jp/tochigi/college/ business/partner.html (2) 内閣府HP https://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk /n16_2_1.html 開発目標 達成状況 達成内容 材料供給と排出の自動化 達成 自動で供給排出できた 切り粉除去性能の向上 達成 切断面粗さがRa 0.5μm以下 軽量化と振動の軽減 達成 加工に影響を及ぼす振動は確認されなかった 刃物の直角精度の向上 達成 製品の直角精度が0.02mm以下 前年度以上の加工精度 達成 製品の⻑さ精度が±0.02mm以下 材料ごとに作業開始/終了の時間計測 達成 時間計測できた 作業時間を手作業と機械加工 特殊作業に分割 達成 各作業ごとに分割して計測できた データをExcel形式で出力 達成 データをExcelで出力できた チップ交換時間の自動計測 達成 チップ交換時間を自動計測できた 自動材料切断装置 加工時間計測システム 精度項目 要求 開発装置 ⻑さ精度[mm] ±0.02 ±0.02 面粗さ[μm] Ra 6.3 Ra 0.5 平面度[mm] 0.02 直角精度[mm] 0.02 237

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