応用課程 開発課題20周年史

236 作業がある. 作業工程フローを図12に示す.作業工程は,まず 材料の現品票をバーコードリーダで読み込み材料を作 業台へ準備する.材料をテーブルに固定する段取り作 業と機械加工する加工作業,加工後にバリ取りによる 手作業や寸法計測の測定作業がある.更にフライス加 工工程の間には定期的に工具のチップ交換が行われ る.これらの行程を作業分析して加工時間や段取り時 間,待機時間について手動や半自動,自動計測の検討 をする. 7.加工時間計測システムの詳細 計測システムの開発は,段階的に検討することとし, ①手動化から②半自動化,③完全自動化へと適用され る作業の行程と内容を考慮した.手動化の部分につい ては,作業者がスイッチを押すことで計測ができる段 階である.計測における作業者の負担があるが,汎用 性を持たせた形で色々な工作機械での加工に応用でき る.手動計測ユニットの構成について図13,図14に示 す.このユニットを加工機の制御装置に取り付けて作 業者に各工程毎にスイッチを押すことで計測を行う. 図13 手動計測ユニットの構成 図14 手動計測ユニットの現品票読み取り装置 作業内容には,機械加工や工具交換作業,手作業に よる段取り作業とマイクロメータによる測定作業,待 ちの待機時間がある.これらについて計測を各種セン サを用いて センシングすることにより計測を半自動 化して行う.図15に機械加工のセンシングについて 示す.記秋加工ではフライス盤の動作のうち,軸の移 動について原点復帰動作を超音波センサによりセンシ ングすることで機械加工のモニタリングを行う.ま た,工具のチップ交換作業は,交換工具の使用を工具 台に配置したセンサで感知することでチップ交換作業 時間の計測を行う.図16に段取り,測定作業におけ るセンシングについて示す.段取り作業は,機械加工 後のエッジのバリ取り作業がある.バリ取りにはディ スクグラインダを用いるため、グラインダの使用を電 流センサで読み取ることで作業のセンシングを自動で 行う.測定作業は,機械加工後の板厚や長さ寸法測定 をマイクロメータで実施していることから,測定器の 使用を感知するため、測定台に配置したロードセルに よりマイクロメータの使用を感知して測定の時間計測 を自動的に行う. 図15 機械加工におけるセンシング 図16 段取り,測定作業におけるセンシング 図17 一か月分の稼働時間の集計データ表示 図18 計測データ表示部(ガントチャート) 計測したデータはPC内に格納される.PCからはUSB 媒体により外部へと排出することができる.データ表 示は,Excel(Micro Soft)のマクロを用いることでデ ータを見やすく加工する.現品票ごとの計測時間に加 えて機械のトータルの稼働時間も表示させることがで きる.結果のデータの一例は,図17に示すように企業 からの要望から一か月分の稼働時間の集計データを表 示させることができる.また,図18に示すようにガン トチャートによる見やすくしたシートを製作した. 236

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