応用課程 開発課題20周年史

234 5.自動材料切断装置の詳細 図 6 に材料供給と切断部の部分拡大図を示す.自動 材料切断装置は,6つのユニット(1.材料供給ユニット 2.材料固定ユニット 3.切断ユニット 4.切削油ユニ ット 5.本体ユニット 6.自動制御ユニット)から構 成されている. 図5 材料供給と切断部周辺拡大 5.1 材料供給ユニット 切断する材料を投入して自動バイスへと送るための ユニットである.エアシリンダで材料をクランプして, 現品票に記載の製品指示寸法をバーコードで読み取り, サーボモータにより指定位置まで自動で移動させる. 位置決め精度は±0.02㎜以下である. 5.2 材料固定ユニット 切断加工時に材料が動かない容易固定するためのユ ニットである.バイスに設けたスリットを刃が通過す ることにより材料を刃の両側から固定している.固定 にはエアシリンダを用いており,側面と上面からの 2 方向で固定することで振動を抑制している. 5.3 切断ユニット 鋸刃回転部と鋸刃送り部とから構成されており,鋸 刃の回転は,三相モータ(出力750[W])の動力をプー リによりベルトで伝達させている.鋸刃の送りには, 三相モータをインバータ制御により送り速度を可変で きるように制御している. 切断する材料の面の平面度を向上させるために鋸刃 の振れを抑制する必要がある.そのため様々な案を検 討した結果,独自のアイデアとして,図 6 に示すよう な振れ止め機構を新たに開発した.この振れ止めは, 図7に示すように,回転刃の両側からPTFEパッドのシ リンダを配置して刃を挟んでいる状態である.エア注 入口からエア圧によりシリンダを刃に押し付けながら 鋸刃を回転させることで振れを抑制することができる 構造となっている.エア圧を調整することで実験を重 ね,0.2[MPa]が最適値であることを確認した. 図6 切断ユニット鋸刃振れ止め機構 図7 鋸刃振れ止め機構詳細 5.4 切削油ユニット 切断加工時には,切削油を用いて加工を行う.切 削油には水溶性切削油を使用している.図 6 に示すよ うに切削油は刃の回転上部からクーラントとして装置 下部に配置したオイルパンから,ポンプにより供給さ れる.目的としては,刃の冷却と潤滑もあるが,一番 大事なのは切削した切りくずの除去である.切りくず が切断面に付着すると表面にキズを付けることになる ため切削後の刃に付着した切りくずを完全に除去する ことが必要となるため、クーラントを用いている.ま た,併用してエアブローによるエア噴射で刃に付着し た切りくずを除去している. 取り除いた切りくずは,切削油とともに回収される オイルパン上の金属フィルタにて切りくずを分別して 収集して回収できる構造としている. 5.5 本体ユニット 装置本体は,強度剛性を必要とすることから,角パ イプ(□40 ㎜×t4.5 ㎜)を溶接により接合してフレ ーム構造を構築することで強度剛性を確保した.(昨年 度は市販の作業台を本体フレームに採用していたため に振動が大きく強度不足であった) 5.6 制御ユニット 制御ユニットは,制御盤内に配置された PLC を中心 とする構成と,データベースからバーコードリーダで 読み込むシングルボードコンピュータによる情報処理 部の構成となっている. PLCとPCとの通信にはシリアル通信を用いて寸法デ ータの送信や加工状況をモニタリングして作業者に開 切断ユニット (鋸刃回転,鋸刃送り) 材料固定ユニット (自動バイス) 材料供給ユニット (ワークフィーダ) 制御 ユニット 切削油ユニット (クーラント) 本体ユニット (フレーム) エア注入 口 シリンダ 234

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