応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第22回 ポリテックビジョン in 栃木 23 クローラを製作した.また安定性向上のため,常時 2 段以上階段に接する長さでクローラを製作した.さら に,クローラ動作用レバーにリミットスイッチを用い た誤動作防止機能を設けた.図4に自作クローラの外 観を示す. 図4 自作クローラの外観 3.3 制御部 図5に筐体の外観,図6に筐体内の制御基板を示す. 制御部はマイコン基板,電源基板,ドライバ基板及び ブレーキ基板から構成されている.感電の危険を減ら すこと,また省スペース化を実現するため,制御部を 筐体に収め配線をコネクタ化した. 図5 筐体の外観 図6 筐体内の制御基板 3.4 監視部 ①車いす側 搭乗者の位置を特定する GPS センサ,車いすの傾 きを検知するジャイロセンサ及び搭乗者が自身の危険 を知らせるヘルプボタンを車いすに取り付けた.各セ ンサのデータは, web で表示できるようにマイコンで 解析し LPWA 通信でサーバーへ送信する.ジャイロ センサのデータは傾きを修正するため,制御部のマイ コンへもシリアル通信で送信する.ヘルプボタンが押 された場合はスピーカーからアラームを鳴らす.図7 に監視部の外観,図8に監視部基板を示す. 図7 監視部の外観 図8 監視部基板 ②サーバー側 監視部から受信したデータをデータベースに蓄え, ブラウザ上のマップに現在位置を表示し,車いすの傾 きを画像で示すことにより角度を可視化した.ヘルプ ボタンが押された場合は画面上に文字で表示される. また複数の利用者に対応するためアカウント制とした. 利用する際はアカウント名とパスワードを入力してロ グインする.図 9 に web 監視画面を示す. 図9 web 監視画面 4.性能評価 表2に性能評価を示す. 表2 性能評価 項目 目標値 評価 寸法 ( 全長×全幅×全高 ) 1030 × 540 × 875 mm 1280 × 575 × 1295 ( 収納時最大 ) mm 総重量 200 kgf 以下 車両重量 57 kgf に対して 積載 73 kgf での動作確認済 座面の高さ 530 mm 以下 350 mm 登坂速度 6 m/ 分 7.0m/ 分 往復昇降回数 ( 1階~ 5 階 ) 1 回 検証中 ( 1 回以上は確認済) 最大傾斜角度 41 度 33 度まで確認済 通信範囲 7 km ( 通信規格値 ) 500 m 5.製作費用 表3に製作費用を示す.なお,車いすのフレームは 依頼企業から提供して頂いた. 表3 製作費用 ( 単位:千円 ) クローラ部 制御部 遠隔操作部 合計 541 127 35 703 6.おわりに 本装置は既存の製品より座面を低くすることで,搭 乗者の安心感を向上させることが出来た.今後,本開 発で製作した階段昇降機能付き車いすがさらに発展し, 社会に貢献することが出来れば幸いである. 参考文献 (1) 足立啓・小松和郎・荒木兵一郎:「障害者を考慮し た住宅団地の研究(その1)歩行行動から見た障 壁の分析」,日本建築学会大会学術講演梗概集 別 冊 建築計画・農村計画( 1980 ) マイコン基板 ブレーキ基板 ドライバ基板 電源基板 マイコン基板 通信操作基板 センサ基板 平ベルト タイミングベルト スポンジ 23

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