応用課程 開発課題20周年史

229 も相談し1300×1300mmとした.最大積載量は,依頼企 業の要求に対応できるよう1000kgf とした.図3 にパ レットを搭載した台車を示す. 図3 パレットを搭載した台車 3.1.1 台車の解析 最大積載量 1000kgf に耐えられるよう,3DCAD によ り応力解析及び設計を行った.解析結果は,台車には 最大応力 27.5MPa の負荷がかかり,せん断強さ 41MPa となった.そのため,せん断強さが205MPaのアルミフ レーム(A6061)を使用することにした.図4に台車の 応力解析結果を示す. 図4 台車の応力解析結果 3.1.2 キャスター 台車に利用するキャスターには,最大積載量1000kgf を作業者一人で運ぶこと,スムーズな操作ができるこ とが必要となる.依頼企業の工場内の床は,セメント に近い路面であり,始動時に必要な力を軽減させる目 的から,超始動タイプ(ソリッド・エラストマー)のキ ャスターを採用した.ソリッド・エラストマーは,荷 重が重い場合に接地面積が変わらず抵抗値も小さい特 徴がある.そのため,従来のキャスターに比べると, 始動抵抗力が約 5 割減となり,旋回時始動抵抗力は約 6 割減(参考値)が期待できる.また,最大積載量が 1000kgfあることから,2輪車輪キャスターを選定した (図5). 図5 2輪車輪キャスター 3.1.3 ポジジョンロック 作業者が台車で部品を運搬する際に直進の安定性と 旋回のしやすさが必要となる.そのため,図 6 に示す ように台車の後輪にポジションロックをつけ,固定輪 と自由輪に切り替えを可能とした.後輪がロック状態 の場合,一般的な台車と同様に直進の安定性に優れた 台車として使用でき,また,4輪全てが自在輪の場合, その場で旋回可能な台車として使用できる. 図6 ポジションロックの取り付け 3.2 ロボットの構成 ロボットは操作部,駆動部,制御部(「助力」,「追 従」,「自走」機能),で構成されている.なお,バッ テリは安価で,短時間で大電流を流せ,小電流を長時 間流しても性能が安定している鉛蓄電池を採用した. 図7にロボットのブロック図を示す. 図7 ロボットのブロック図 3.2.1 操作部 タッチスクリーンを採用し,直接画面操作により 「助力」,「追従」,「自走」の各機能の切り替え等が行 える.また,依頼企業の要望から,作業者がロボット から離れた場所でも操作できるよう,タブレット端末 (無線)でも操作可能とした(図8). 図8 タブレット端末の画面構成 (出所:スガツネ工業(株)重量用キャスターカタログNo.344より) (出所:スガツネ工業(株)工場・設備向け機構部品カタログNo.215Aより) 229

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