応用課程 開発課題20周年史
7.施工・施工管理 7.1 施工 主要な施工写真を示す(図8~12). 7.2 品質管理 各種材料が搬入された際には,作成した発注書と品 名・使用・数量を照合し写真撮影を行った.鉄筋は加工後, 加工精度チェックを行い,精度が許容値内の物を使用し, かぶり,定着長さなどの配筋検査を行った.柱主筋の圧接 部は,テストピースを作成し引張試験を行った.コンクリート は現場水中養生を行い,圧縮強度試験を行った.地上躯 体については,流動化前後のスランプ試験を行った.鉄骨 部材は,加工後,切断寸法・孔径・位置の精度チェック,溶 接部の検査を行った. 7.3原価管理・工程管理 予め学生に予算を示し,搬入された材料については金 額が記載された納品書のコピーを渡して管理をした. 工程については,コンクリート打設,鉄骨建方の日を予 め定め,マイルストーンとして施工に取り組んだ. 7.4安全管理 実習時には,朝礼によりラジオ体操,KYK(危険予知活 動),指差呼称を行った.また,予めリスクアセスメント表を作 成し,事故の防止に努めた. 7.まとめ 今回の課題はハードルの高いものであり,解決しなけ ればならない問題が山積していた.構造体の高さ・スパン の 1/100(60mm)を施工精度の目安としていたが,施工中 ならびに竣工後の計測で,最大26mm程度のずれに納め ることができ,目標値は達成したといえる(図13). カテナリー曲線による構造体を設計・施工するというケ ースは非常に稀ではあるが,『出現するであろう問題を予 測し,予め対策を講じておく』ことは,どのような建物である にせよ,実務では日々こなしている業務である.学生のう ちに,開発課題でこのような経験を積むことは,非常に有 意義である.それは,技術面だけでなく,自ら課題を解決し て行くという,精神的な面での成長にもつながることと思う. 参考文献 (1) Gateway Arch - Wikipedia (最終閲覧日:2019年11月27日) https://en.wikipedia.org/wiki/Gateway_Arch (2) Gateway Arch Drawing (最終閲覧日:2019年11月27日) https://www.flickr.com/photos/csondi/8720620623/ 図7 鉄骨建方計画 図8 基礎と柱主筋 図9 アンカーボルト設置 図10 鉄骨部材の揚重と支保工の取付 図11 鉄骨建方本締完了 図12 仕上材の取付 図13 竣工 221
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