応用課程 開発課題20周年史

制作する構造物は,実物の約 1/30,高さ・スパン共に外 外寸法で6mとすることとした.(式2.2)は,(式2.4)の形となり, 任意の断面の重心の位置とする.以下,単位はm(メートル) である. 構造物の高さを 6m とすると,柱脚部断面の正三角形一 辺の長さは 516 ㎜,頂部断面の正三角形一辺の長さは 162㎜となる. 3. 構造物の三次元描画 3.1 座標の計算 前章で得られた数式を用いて,各種図面を作図するた め,表計算ソフトを用い,座標の計算を行う.手順は次の通 りとする. ① 構造体をいくつかの要素に分割し,正三角形断面の 重心の座標を計算 ② 重心の座標から,三角形の頂点の座標を算出 ③ 各頂点の座標を,重心軸に対して直交するように座 標を変換 ④ 重心の高さに比例し,断面の面積が小さくなるように, 頂点の座標を変換 3.2 構造体の描画 詳細な納まりを検討するために,三次元 CAD による作 図が必要となる.初めに設計図し,施工図と詳細図に展開 する. 座標 P(x1,y1,z1)と座標 Q(x2,y2,z2)を線分で結ぶ場 合,AutoCADではスクリプト機能が使える.P点の座標を表 計算ソフトの A1,B1,C1 のセルに,Q 点の座標を表計算ソ フトの D1,E1,F1 のセルに入力しておくとすると,線分 PQ を描画する LINE コマンドは(図 2)となる.1 つ目と 2 つ目 の”ブランク”は座標の区切り,3 つ目の”ブランク”はコマ ンドの終了を示す. 節点の座標に番号などを書き込みたい場合,TEXT コ マンドを使用する.節点X,Y,Z座標がB2,C2,D2セルに収 納されており,この座標に A2 セルに収納されている番号 または記号を書き込みたい場合のコマンドを,(図 3)に示 す. 構造体を80に分割して描いた三次元CADによる描画 例を(図4)に示す. 4. 構造設計 4.1 固定荷重 躯体が全て鉄筋コンクリート造と仮定し,固定荷重を 18.82kN とした.積載荷重と積雪荷重は考慮しない. 4.2 風荷重 風力係数 1.2,速度圧 702(N/m 2 ),面積 2.5(m 2 )より,風圧 力は2.2(kN)とする. 4.3 地震力 地震層せん断力係数 0.3,その階以上の固定荷重の総 和は,安全率として 2倍を見込み11.29(kN)とする. 4.4 基礎の設計 許容地耐力を19.6kN/m 2 と想定し,独立基礎として設計 する.断面を(表1)に示す. 4.5 構造体の設計(下部RC造部分) 応力解析は,有限要素法による.当初は構造体を RC造 とする予定であったが,学生の意向で基礎から柱脚まで を RC 造,上部構造を S 造とすることとした.長期荷重が作 用した時に曲げモーメントが 0 となる部分(GL+2,411)より 下部がRC造,上部が S造となる(図6). 短期荷重は構面と直交する(図4におけるY軸)方向に 作用するものとして断面算定する. � � − � � � � 1.81977 � . ����� � 9 1. � �� − 1� ・・・(2.4) ・・・(2.3) 図2 LINE コマンド 図3 TEXT コマンド 図4 三次元CADによる描画 219

RkJQdWJsaXNoZXIy ODQ0MTk3