応用課程 開発課題20周年史

穴の精度は建方精度に大きな影響を及ぼすため,原寸図 (図 20)を使用して精度確認を実施した.スパン変更に 伴い,新たに加工した小梁にはレーザ加工で制作したガ セットプレート(図21)を溶接接合した. 図20 精度確認 図21 ガセットプレート取付け また,転用するS造教材は学習用に柱の一部がエレクシ ョンピースを使用した仮付け状態であったため,本溶接 接合を実施した.本溶接(図 22)後,エレクションピー ス(図23)はガス切断した. 図22 柱本溶接 図23 エレクションピースの溶断 さらに柱部材には屋根材を取付けるために150×150の 鋼板とH形鋼を溶接により取付けた. 溶接後はすべての構造部材に超音波探傷試験(UT検査: 図25)を実施し,溶接欠陥がないことを確認した. 図24 柱頭部屋根部材溶接 図25 UT検査 5.7 仮組み ボルト接合部の孔位置の確認と施工手順を明確にす るために,仮組み(図 26)を行った.仮組は建方時の安全 確認も兼ねて屋根下地材も同時に実施した.仮組みの際 各ピースの寸法精度確認も行った,確認の結果,加工精 度は所定の許容範囲内 2)3) であった.仮組み完了後を図 27に示す. 図26 柱の仮組み 図27 仮組み完了 5.8 モルタル饅頭及び鉄骨柱の設置 既に施工した基礎柱は高さにばらつきがあるため,鉄 骨柱設置前に高さ調整が必要となる.そのため高さ調節 用に無収縮モルタルを使用し,モルタル饅頭(図 28)を 設置した.高さ調整代は30mmとした.その後,鉄骨柱 を設置し,控え用のワイヤロープを使用して鉄骨柱の倒 れを修正した.事前にアンカーボルトの位置等について は,鉄骨精度測定管理指針 3) に基づき確認を行っていた ため,大きな狂いもなく設置することができた. 図28 モルタル饅頭施工 図29 鉄骨柱の設置 5.9 梁の建込み及び外部足場の設置 鉄骨柱の建込後に梁の建込を行い,仮ボルトにより接 合を行った(図30).仮ボルトは一群のボルト本数の1/3 以上で同軸の普通ボルトを使用して接合した.梁の設置 後に屋根作業および高力ボルトの本締め作業用の外部 足場を設置(図31)した. 図30 梁設置及び仮締め 図31 外部足場の設置 5.10 鉄骨部材の建入れ直し セオドライトを使用して建物の倒れを計測(図 32)し たところ,一部柱の傾きが許容範囲を超えていた.その ため,ワイヤーロープとレバーブロックを使用して,建 入れ直し(図33)を行った結果,許容範囲内 2)3) に部材が 設置された. 図32 建入れ精度の計測 図33 建入れ直し作業 5.11 高力ボルト接合による本締め 建入れ直し後に高力ボルトにより接合を行った.仮ボ ルトを高力ボルトに交換し,一次締め(図 34)→マーキ ング(図35)→本締め(図36)のボルト接合部の施工した. 高力ボルトは M16 のトルシア型高力ボルトを用いた. 施工前に使用する高力ボルトの受入検査を実施し,所定 の軸力が得られていることを確認した.本締め後はすべ てのボルトを目視検査(図 37)し,ピンテールの破断と 軸回り,供回りの締め付け不良がないことを確認した. 216

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