応用課程 開発課題20周年史

5. 施工・施工管理 5.1 掘削作業 基礎底盤用に掘削作業 (図 8) を行った.建設地は砕石 が既に転圧された状態となっており,手掘りだけでは困 難であったため,重機も併用して掘削作業を行った (図 9) .掘削面積は 5×6m で掘削深さは 200mm~300mm とし た. 図8 底盤掘削作業 図9 掘削完了後 5.2 基礎底盤コンクリート 基礎底盤のコンクリート厚さは 150 ㎜以上とし,D10 の鉄筋を 150 ㎜間隔で配筋し,打設を行った (図 10) .製 作する構造物は将来的な解体を考慮して基礎柱は底盤 の上に載せる設計とした.打設したコンクリートの設計 基準強度は24N/mm 2 とした.打設時に採取したテストピ ースを 4 週間後に圧縮試験を実施した結果,十分な強 度が発現していた.また,打設後 (図11) はコンクリート の表面の乾燥を防止するために散水を適宜行い,湿潤養 生を行った. 図10 打設状況 図11 コンクリート打設完了 5.3 基礎底盤コンクリートの鉄筋探査 既存の S造教材の柱高さの不足を鉄筋コンクリート造の 基礎柱で補う設計とした. 底盤コンクリートへの基礎柱の 緊結はケミカルアンカーを使用し,将来的に解体が容易 に行える構造とした.ケミカルアンカーは柱に生じる引 抜き力に十分抵抗できるように下穴を施工し,鉄筋挿入 長さを確保した.固定用鉄筋の設置に先立ち,基礎底盤 の鉄筋と固定用鉄筋が干渉しないか鉄筋探査機で鉄筋 の位置を探査 (図12) した.探査の結果,数か所干渉する 鉄筋が存在したが,固定用鉄筋位置を変更することでお 互いの鉄筋が干渉しないよう施工した (図13) . 図12 基礎底盤鉄筋探査 図13 定着用鉄筋穴あけ 5.4 基礎柱のアンカーフレーム製作 既存の S 造教材を転用して,資材用構造物を製作す るため,鉄筋コンクリート造の基礎柱を 600mm 程度立 ち上げ,その上部に鉄骨柱を固定する設計となっている が,鉄骨柱を正確に固定しなければ,上部の鉄骨部材の 所定の建方精度 2)3) が得られないため,基礎柱内にアン カーフレームを製作し(図 14),設置した.アンカーフ レームの資材は例年実施されている S 造標準課題で使 用後の材料を転用し,製作することでコスト面に配慮し た.アンカーボルトの位置確認には,レベルとテンプレ ート(図 15)を使用し,十分な精度が得られるように施 工した. 図14 アンカーフレーム 図15 テンプレート確認 5.5 基礎柱の施工 製作したアンカーフレーム設置後,基礎柱のコンクリ ート打設時にコンクリートがねじ山に付着しないよう にウェスを用いて養生した. また,コンクリートの型 枠は足元台(図16)設置後,セパレータ等(図17)を挿入 し,単管を用いて締固めを行った.打設(図 18)したコ ンクリートの設計基準強度は24N/mm 2 とした.底盤コン クリート同様,打設時に採取したテストピースを 4 週 間後に圧縮試験を実施した結果,平均圧縮強度は 24N/mm 2 となり,十分な強度が発現していた.完成した 基礎柱を図19に示す. 図 16 基礎柱足元台 図 17 基礎柱型枠施工 図18 コンクリート打設 図19 型枠脱型後の基礎柱 5.6 鉄骨部材の加工 S造教材を転用して資材用構造物を製作するため,ス パンや高さの変更が発生した部分は部材の加工作業を 実施した.大梁は必要長さに切断後,マグネットボール 盤を使用して,ボルト接合用の穴加工を行った.ボルト 215

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