応用課程 開発課題20周年史

211 図8 制御基板 図9に階段昇降機の操作ボ ックスを示す。手動運転では、 クローラの前進・後退、アーム の収納・展開、電動シリンダの 伸・縮が可能となっている。階 段の昇降は自動運転可能であ るが、図10の模擬階段に特化 した調整となっており、表 1 の 仕様に掲げた範囲の様々な階 段に適応するには今後の改善 を要する。 図9 操作ボックス 図10 模擬階段と階段昇降機のリミットスイッチ位置 (1)上り自動運転 上り自動運転の制御方法を以下に示す。 ① 上り自動スイッチが押されたら、アームを収納しクロー ラを接地させる。この間、座面の水平を保つよう電動シリ ンダを制御する(図11(a)、(b))。 ② クローラで後退しながら、電動シリンダで座席を後傾さ せることにより、重心位置を後方へ移動させ、階段の上 りに備える(図11(c))。 ③ 階段を上る際、段鼻を通過する毎にリミットスイッチ LS1 が ON する。一方、階段昇降機の後方に取り付けた超 音波センサで、蹴込み板までの距離を測定している。 階段の上り終りでは、蹴込み板がないため超音波セン サの測定値がそれまでと大きく異なる。この条件下にお いて LS1 が ON(図 11(d))したら、階段の上り終りと判 断し、クローラを停止した後、アームを規定の角度まで 展開し、階段昇降機を支える(図11(e))。アームの角度 はアーム軸に取り付けたポテンショメータで測定してい る。 ④ 次に、重心位置が階段側から踊り場側に移動するまで クローラで階段を上る(図11(f))。 ⑤ アームを収納し、クローラを踊り場床面に接地させる (図11(g))。 ⑥ クローラで後退した後、アームを展開し、踊り場での旋 回が可能な車いすモードへ移行する(図11(h))。 図11 上り自動運転の制御方法 (2)下り自動運転 下り自動運転の制御方法を以下に示す。 ① 下り自動スイッチが押されたら、アームを収納しクロー ラを接地させる。この間、座面の水平を保つよう電動シリ ンダを制御する(図12(a)、(b))。 ② クローラで前進しながら、電動シリンダで座席を後傾さ せることにより、重心位置を後方へ移動させ、階段の下 りに備える。最初の段鼻通過後にリミットスイッチ LS3 が OFF したら、クローラを停止する(図12(c))。 ③ リミットスイッチLS2が踏板でONするまで、アームを展 開させる(図12(d))。この動作により、クローラの前後が 階段に接地する。 ④ 次に、重心位置が踊り場側から階段側に移動するまで LS1 LS2 LS3 LS4 (a)基板の外観 (b)ケースに収納した基板 211

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