応用課程 開発課題20周年史
204 開発課題実習における自動面取り装置の開発 中村 正美 *1 中澤 直樹 *2 岩崎 浩文 *3 1. はじめに 応用課程の 2 年生では,1 年かけて開発課題実習に グループワークで取り組んでいる.この実習は,生産 システム系3科(生産機械システム技術科,生産電気 システム技術科,生産電子情報システム技術科)の学 生が各科5~6名ずつで合計約15名が合同で取り組む. 開発する課題テーマは,地元の地域企業との日頃から の相談援助や共同研究などにより,候補を挙げて選定 している. 大学校には,地域企業からの相談窓口として地域協 力室があり,図1に示すように共同研究や受託研究を 積極的に進めており,産官学の連携を取りながら,つ ながりを作っている.企業で抱えている問題や試作し たい案件について相談や提案をいただいた内容から, 学校側で検討し,その内容を学生の教育において生き た教材として活用しており,双方によい相乗効果を合 わせ持っている. 図1 地域協力室による大学と企業のつながり 1) 2.開発の概要 今回の取り組み先企業は,地元の小山市内にある従 業員100人程度の中小企業であり,精密機械部品を中 心に各種金型用標準部品やFA自動機用部品,治具工具 等の金属機械部品を製造している.小山市工業会の役 員会などを通じてお付き合いのある中で,依頼を受け た企業テーマである. 製造している部品の金属プレートの仕上げ加工とし て面取り加工がある.現在は,図2に示すように人手 による手作業で行っており,一つの材料でエッジが12 か所あり,作業量が多く大きな負担であることと,ヒ ューマンエラーが発生しやすいことが問題となってい る.そこで,この面取り加工の工程を自動化してほし いとの相談から,その要望をかなえるために,材料の 面取り工程の自動化装置の設計開発に開発課題として, 取り組むことにした.開発に取り組んだ期間は2年間 であり,1年目は平成29年度,2年目は平成30年度で ある. 図2 手作業による面取り加工の様子 3.1 年目の取り組みについて 3.1 開発目標 1 年目の装置開発への取り組み体制は,応用課程 2 年生の生産機械システム技術科6名,生産電気システ ム技術科6名,生産電子情報システム技術科6名の計 18名の学生による構成である.装置の開発目標を表1 に示す.目標については,企業の方と打ち合わせをし て現場の要望に応えるように努めて検討した. 表1 開発装置の企業要望と開発目標 *1 (関東職業能力開発大学校) 生産機械システム技術科 *2 (関東職業能力開発大学校) 生産電気システム技術科 *3 (関東職業能力開発大学校) 生産電子情報システム技術科 204
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