応用課程 開発課題20周年史
196 深層学習による画像判定を用いた製造ラインにおける外観検査システムの開発 関東職業能力開発大学校 生産電子情報システム技術科 2 年 杉山 晴輝(すぎやま はるき) 菅谷 拓海 黒﨑 智捺 【概要】当校の開発課題に協力いただいている A 社では、検査工程の自動化を行う上で運用できる人 材が不足していることが懸念されている。本研究では、専門知識を必要としない検査工程の自動化シ ステムの試作及び利用マニュアルの研究開発を行った。そして有効性を検証した。 【栃木を元気にするには】本研究により、専門知識のない人材による検査工程の自動化が実現した場 合、産学連携企業の問題を解決し、その他多くの企業も自動化へ着手できるようになる。着手後自動 化が進めば、地域全体で生産額も増加していき、将来的に栃木県の経済成長を促せる。 1. はじめに 近年少子高齢化による労働不足は大きな問 題となっている。そこで多くの業種にて DX 化 による作業の自動化が行われている。2018 年 の経済産業省が行った調査 [1] によると、製造業 の検査工程自動化を行いたい企業が 50%に対し て、着手した企業は 10%である。 当校の開発 課題に協力いただいている A 社(中小企業の製 造業) が抱えている問題を解決することが製 造業における工程自動化への足掛かりになる と考えた。A 社の自動化を行う大きな問題とし て、運用できる人材がいない事が挙げられ た。そこで使用者が扱いやすいシステムを開 発し、マニュアル化することで社内の既存人 材で運用が行えるように解決する。 生産ラインの検査は作業者へ教育後、目視 で行っている。その工程を自動化するため本 研究では深層学習、画像判定にて判定する装 置を試作する。更に、マニュアルを作成す る。作成後、専門知識がなく PC の基本操作が できる被験者数名がマニュアルを使用し、評 価を行う。本稿では装置の構成要素について 説明し、評価についても説明する。 2. 全体構成 本装置の全体構成図を図 1 に示す。撮影ボ ックス内で撮影した写真は Jetson Nano 内部 に保存される。撮影後、検査の結果をモニタ ーへ表示する。 図 1 全体構成図 196
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