応用課程 開発課題20周年史

192 菌床シイタケ培養袋除袋装置の開発 関東職業能力開発大学校 生産機械システム技術科 2 年 爲我井 和也(ためがい かずや) 市川 裕進 鎌田 実里 鈴木 竣也 関東職業能力開発大学校 生産電気システム技術科 2 年 岩永 光広 内田 健太 瀬角 健 富口 大輝 関東職業能力開発大学校 生産電子情報システム技術科 2 年 青木 凌太 岩木 智嗣 大木 皓平 今井 優希 長谷川 徹 篠田 陸 【概要】シイタケは数あるキノコの中で自動化栽培することが難しいキノコで,シイタケ栽培における 生産性向上が求められている.菌床シイタケ栽培における作業工程は,①おがくず等を培養袋に袋詰め, ②殺菌,③接種,④培養,⑤袋を剥ぐ(以下,除袋),⑥シイタケの発生・収穫である.この一連の中 で,除袋工程は全て手作業のみで行われており,特に作業者の負担が大きいと言われている.そこで我々 は,この除袋工程に注目し,その自動化を行う装置の開発を試みた.除袋装置にはコンベア・2 枚刃カ ッター・ブロア・回転部を搭載しているのが特徴となっている.また付属で画像処理装置も設けている. 【栃木を元気にするには】現在,シイタケ栽培において原木栽培と菌床栽培の 2 つがあるが,そのほと んどは菌床栽培である.栃木県をはじめ群馬県や岩手県などでは菌床シイタケの栽培量が多く,農業従 事者の人手不足の問題などが課題となっている.菌床シイタケの培養袋除袋装置の開発に取り組むこと は,地域農業の生産性向上に寄与することができると考えられる. 1. はじめに 現在,シイタケは工業化栽培されていない唯一 のキノコで,菌床栽培の除袋工程は手作業で行わ れている. 北関東圏内にある A 社ではシイタケ菌床袋の 除袋を1人平均 400~500 袋/時で行っている.ま た事業所によっては 20,000 袋/日にもなる. A 社は除袋の自動化により,作業者の負担軽 減・生産効率の向上を目指している.今回,我々 は菌床シイタケ培養袋の除袋装置の開発(以下, 本装置)を依頼された. 図 1 に除袋前,図 2 に除袋後の菌床を示す.な お本装置の開発においては,菌床の大きさを限定 (図 1)して開発を行うものとした. 図 1 菌床(除袋前) 図 2 菌床(除袋後) 2. 装置概要 本装置は①搬送部,②除袋補助部,③除袋部の 3 つにより構成されている.また,本装置とは別 に,④画像処理部が設けられている.装置外観を 図 3 に示す. 図 3 装置外観 ① 搬送部 搬送部はベルトコンベアを使用して,シイタケ 菌床を各工程に搬送,除袋後の排出までの動作を 行う.搬送部を図 4 に示す. 図 4 搬送部 φ 120mm 130mm 300mm 192

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