応用課程 開発課題20周年史

186 本課題は、企業より依頼された昨年度からの継続テーマです。依頼元企業では検査対象(図1) となる自動車関連部品を順送プレス加工によりブランク材(素材)から基盤を作製し、その後、 抵抗溶接(図2)にて M8 ボルト(2 個)を所定位置に接合しております。その際、ボルト及び その周辺にスパッタ(図3)が付着する場合があります。そのスパッタは車載搭載時に障害とな り客先ラインを停止してしまうため、現在は人手により一個あたり 30 秒で一日 2000 個を昼 夜二交代で全数検査しており、この検査工程はタクトタイムのボトルネックとなっています。今 回、提案された課題は自動車関連部品の検査工程を手動から自動化する装置の開発であり、今年 度は昨年度のタクトタイムの半減を主目的としました。さらに、開発する装置には検査のエビデ ンスとして、製品全数の画像を撮影・保存する機能も求められました。 ワーク1個当たりの処理時間について、昨年度の開発仕様 15 秒に対し、企業からの要求によ り 9 秒という厳しい目標となり、抜本的な機構の見直しが必要となりましたが、学生の創意工夫 により実測値 7.8 秒を達成し、手作業の約4倍の速度で検査が可能となりました。また、今年度 の装置はボルト検査機構の変更により検査精度が向上しました。さらに、AI 技術の導入を図り機 械学習を利用する画像検査システムの試作を行い、タクトタイム削減の可能性を示すことができ ました。 図1 検査対象 図5 投入部 図 2 ボルト抵抗溶接 図3 スパッタ 図4 溶接ボルトスパッタ自動判別機の各ユニット構成 図6 ナット検査部 溶接ボルトスパッタ自動判別装置の開発 関東職業能力開発大学校 生産機械システム技術科 生産電気システム技術科 生産電子情報システム技術科 2021 年度 応用課程 開発課題実習 最優秀賞

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