応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第22回 ポリテックビジョン in 栃木 18 自動面取り装置の開発 グループ 3 生産機械システム技術科 稲毛 正也 大田 賢明 小室 洸輝 高垣 瞭 藤巻 慧 生産電気システム技術科 荒井 輝一 倉林 宏和 関野 悠 田口 聖人 千田 康平 長江 翔 生産電子情報システム技術科 ○ 大江 光基 石内 琢也 柴山 健太郎 末永 将善 長江 翼 三島 健太郎 1 .はじめに 本装置の開発テーマを頂いた㈱正和様(以下 S 社)で は,エッジを削り角面などの形状に加工する面取り加 工を手作業で行っている.その場合,加工量が多いた め作業員の拘束時間が長くなる点や,単純作業になり やすくヒューマンエラーの発生等の問題が生じている. そこで,作業効率の向上及びヒューマンエラーの改善 を目的とした自動面取り装置の開発に取り組んだ. 2.装置仕様 今回開発した装置の要求仕様と目標仕様を表 1 に示 す.対応材料について, S 社では加工材料における鉄 の割合が全体の 48 %,ステンレスの割合が全体の 15 % と鉄の割合が大きいため,対応材料を鉄とした.また, 目標仕様の対応材料サイズで全体の 25 %(鉄の 51 %)に 対応することができる.タクトタイムは,面取り加工 の切削条件を満たすために適した時間を設定した. 表1 要求仕様及び目標仕様 3.装置の概要 本装置は,検査部と加工部の 2 つに分かれている. 本装置の外観図を図 1 に示す.また,本装置の動作 フローを図 2 に示す. 図 1 外観図 図 2 動作フロー 3.1 検査部 S 社が用いている現品票を読み込み,データベース から加工情報を取得する.その後,加工材料の画像処 理を行い,取得した情報と加工材料の寸法の整合性を 確認する. 3.1.1 画像処理部 加工材料を暗室内にセットし,暗室内の上部と側部 にセットしたカメラを用いて測定を行う.上部のカメ ラは加工材料の縦幅と横幅を測定し,側部のカメラは 加工材料の高さを測定する. 加工材料の画像を取得する際,フォーカスを設定し て画像を補正する.その後,取得した画像を HSV カ ラーモデル中の明度に変換し,しきい値を設けて二値 化する.例として,二値化前と二値化後の画像を図 3 に示す.しきい値は材料のサイズによって異なるため 現品票から得た加工情報を基に変更し,測定を行う. 図 3 二値化前と二値化後の画像 3.2 加工部 1 工程に 3 辺を面取り加工する機構を設計,製作し た.検査部で取得した加工情報を基に,加工部 PC で モータの移動量を計算し, PLC へ送信する.加工材料 をエアシリンダで固定後,横 2 辺,縦 1 辺の面取り加 工を行い,加工材料を 90 °回転させる. この一連の流れを 4 回繰り返すことにより, 12 辺全 ての面取り加工を行う. 1 工程に面取りをする個所を 図 4 に示す. 生産システム技術系 開発課題 18

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