応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第22回 ポリテックビジョン in 栃木 17 取り出すことは大変困難である.そこで,図 5 の押し 出し機構をホルダ背面に取り付け,ケースを 30[mm] 押し出すことでケースの取り出しを容易にした. 押し出し部は,ホルダ各段の背面に設置することに よって,また押し出すケース位置情報は Wi-Fi を介し た通信で行うことで,省配線,省スペース化を図った. ③ ケース取り出し ホルダからケースを取り出し,排出部へ収納する装 置である.ケースの取り出し機構を図 6 に示す. まずピッキング装置を取り出すケースのあるホル ダの前まで移動させる.ケース位置が 2 段目, 3 段目 の場合には,昇降機構を用いて高さを合わせる.次に Kinect (深度センサ)で押し出されたケースの座標を 測定し(図 7 ),その位置にローラを移動させ,ケース を巻き取る.正しいケースかの確認のためカメラで QR コードを読み込む.(図 8 ) ④ ケース収納 最大 25 枚を一時的に収納する排出部には,キャス タをつけ,排出部ごと作業者のもとへ運搬可能とした. 取り出したケースは左から順に収納する.その際, Kinect (画像センサ)を使用する. 図 9 は 3 枚目を 収納するため,左から 3 番目の収納場所を検出した結 果である. 4 .動作確認と性能評価 各部動作の性能評価を表 2 に示す. 押し出し部は,全て正しい位置で押し出すことは可 能であった.しかし,ケースの変形や劣化によって隣 接したケースが同時に押し出されることにより,成功 率が 94% であった. 取り出し部は, 92% の成功率であった.失敗の原因 は, Kinect の測定誤差によると考えられる.これは, 深度センサの解像度が中央部と端部で異なっているた めで,測定範囲を狭めることで改善できると考えられ る. 5 .開発費用 本装置の開発費用を表 3 に示す. 6 .おわりに 当初の企業要望を概ね満たす装置を完成させるこ とができた. 現在の成功率は 92% であり今後改善していくが,取 り出しに失敗した際は,次のケースを取り出す仕様と したため,翌日に押し出されたケースのみを手作業で ピッキングすれば,すぐに製造可能なため,ケースの 見誤りによるヒューマンエラーの発生を防ぐのに十分 貢献できる装置となった . フィルム管理システムは,フィルム情報を効率的に 管理できるようなシステムを築くことができた.また, 事務所 PC のみでなくタブレット端末による操作も可 能としたため,より効率的な管理が可能となった. 回数 成功 失敗 成功率 押し出し部 300 282 18 94% 取り出し部 100 92 8 92% 機械 電気 情報 合計 ¥500,000 ¥402,000 ¥93,000 ¥995,000 表 3 開発費用 表 2 各部性能評価 図 6 取り出し機構 図 7 深度センサで検出した結果 図 5 押し出し部 図 9 画像センサで検出した結果 収納場所 ケース を認識している ケース巻き取り方向 Kinect ローラ カメラ 図 8 QR コード検出 押し出す ローラ移動 17

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