応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第 26 回 ポリテックビジョン in 栃木 167 回転中心 0 ° R=35mm 45 ° 90 ° 90 ° 45 ° 45 ° 45 ° 0 ° R=35 rad ① ② 引張力 P 図5.1.1込栓配置と移動方向 図5.1.2込栓めり込み量 5.2. 接合部試験結果 静的加力試験機を用いて接合部試験を行った結果, 予測値の1/10以下となった.そこで込栓の効果を検討 するため込栓の本数を2,4,8本と順に増やし試験を行 ったが,本数を増やしても耐力に大きな差は見られな かった. 中心から込栓までの距離が短く変位が(めり込み 量)がかなり小さいため,込栓に力がうまく伝わってい ないと考え,中心から込栓までの距離を伸ばして実験 を行い比較することにした. 距離を伸ばすには貫の成を大きくする必要がある ため,図 5.2.1 のように貫材として構造用合板 24mm を使用した.貫成を 120~360mmとし込栓の位置を貫 材の外側から30mmとして実験を行った. 図5.2.1 幅を変えた試験体の図面 変形角 1/450 の時の予測値と実験値の結果を図 5.2.2に示す. 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 120mm 180mm 240mm 300mm 360mm 荷重 (kN) 貫幅 変形角 1/450 の時の予測値と実験値 予測 実測 図5.2.2 変形角1/450の時の予測値と実験値の結果 中心から込栓までの距離が100mmあたりを超えると, 予測値以上の耐力となることが確認できた. 6.フレーム試験 図6.1のように高さ1820mm,幅1500mmのフレームを 設計し,2体の試験を行った. 図6.1 設計したフレーム 実験の結果を図6.2に示す. 図6.2 フレーム試験の結果 試験体1は図6.3のように,1/33radで柱が曲げ破壊 を起こした.試験体 2 は図 6.4 のように込栓から柱の 繊維方向にひびが発生した.また,貫材とした合板に も込栓位置から破壊が見られた. 図6.3 試験体1 図6.4 試験体2 このことから,柱が曲げ破壊しないように断面を大 きくすること,柱が込栓により破壊されないように込 栓の配置を検討する必要があると考えられる. 7.まとめ 実験による性能の確認・検証を行ったことにより, 新たな木構法の特徴や欠点を理解することができた. また, 中大規模木造建築物に必要となる接合部の設 計法を学ぶことができた . 参考文献 1)日本建築学会:木質構造接合部設計マニュアル. (2009) 2)北方建築総合研究所:道産材を用いた木造住宅に おける接合部開発・設計の手引き.(2011)

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