応用課程 開発課題20周年史
関東職業能力開発大学校 第25回 ポリテックビジョン in 栃木 157 図12 節点番号 5.施工管理 5.1 品質管理 受け入れ検査として,注文した材料に仕様の不備や 不足がないか確認した.鉄骨は,加工精度の検査,溶接 部は,余盛検査を行った.また,コンクリートはスラン プ試験,空気量試験,塩化物試験,一週強度試験,四週強 度試験を行いコンクリートの安全を確認した. 5.2 工程管理 工程表を作成し,作業内容及びおおよその工期を設 定し,作業が工期内に終えるように工程を組んだ. 5.3 原価管理 発注書をもとに材料費を算出した. 合計で344,532 円の費用を費やした. 5.4 安全管理 毎日全員で朝礼をして,ラジオ体操,危険予知活動, 指差呼称を行った.また,高所作業を行うときには,安 全帯を必ず使用した. 6.性能評価 6.1 躯体の精度 設計値と出来形の実測値を行った.測定は全節点測 定し,設計高さごとにグループ分けして示す(表1). 表1 躯体精度(mm) 頂部(グループ25)節点61において,実測値は設 計値より49mm低かった.ボルト孔をボルト径より2 mm大きく加工したことが一因と考えられ,高力ボル ト接合にすれば改善されたと思われる.シェルに外接 する球の半径は,3535-49=3486mmで施工されたこと になり,設計値の98.7%の形状を達成できた. 6.2 頂部の集中載荷試験 図12の○印の位置に載荷し,変位を測定した (表2). 表2 頂部に集中載荷した際の変位 A,B,C の3つのグループはそれぞれ,本来同じ挙動 を示すはずであるが,ばらつきが見られた.しかし,変 位の許容値はいずれもスパンの1/300を下回った. 6.3 周辺部の集中載荷,除荷試験 表3 周辺部の集中載荷,除荷した際の変位 図 12 の□の位置に載荷し,A 通りの各節点の変位を 測定した.載荷52.5kgは,人が乗った時の荷重に相当 し,たわみは17/5000≒1/294となる.S造の目安とな るスパンの1/300をほぼ満足する. 図13 竣工 7.おわりに 本課題では,薄肉シェル構造の形状をした鋼構造の 設計と施工管理を行った.球体の構造物を施工するの は初めてであったが,創意工夫を重ねることで,当初の 目的を達成することができた.この経験を大切にし,社 会活動でも役に立てていきたい. 参考文献 1 )http://mirutake.fc2web.com/15/373g/g.htm (最終閲覧日:2021年1月28日) 157
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