応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第 25 回 ポリテックビジョン in 栃木 152 S 造標準課題の建方実習実大課題の設計・施工・施工管理 グループ7 建築施工システム技術科 〇藤井 雄大 青山 健太 阿久津 有信 門澤 智也 斎藤 広務 佐藤 友隆 1.テーマ背景・目的 建築施工システム技術科では,標準課題において実 大の鉄骨構造物の建方実習を行い,施工及び施工管理 について学んでいる.現在,実習で用いられる鉄骨構造 物は,繰返し使用しているため,スプライスプレート等 の劣化や柱脚部の固定穴のゆるみ,ブラケットと梁の クリアランスが小さいことによる施工性が悪い等の問 題点がある.それらの問題点を改善した実習課題の設 計,施工を行うことと共に,施工管理職に就く私達にと って必要な施工管理の知識及び技術を習得することを 目的とする. 2.設計概要 新規課題では,費用面から柱材は既存の課題のもの を流用し,梁材は基礎に合わせてスパン変更(図 1,2) を施し,構造面を含めて再設計した.新規課題の大梁, 一次小梁の高力ボルト用の穴加工とスプライスプレー ト,ガセットプレートの製作は精度面からファブリケ ーターに依頼した. 図1 平面図 図2 南立面図 3.施工計画書 設計した課題を施工する前に施工計画書の作成に取 り組んだ.施工計画書は安全,品質,原価,工程を左右す る重要なものであり,記載される内容は大まかに工程 計画や現場組織,安全管理,施工方法の詳細,使用する 機材,主な資材等が挙げられる.この施工計画書 1) の内 容によっては工事の進捗に問題が生じたり,建物自体 の品質を低下させる恐れがある等,施工に大幅な影響 を与えるため,何度も練り直して作成した. 4.基礎部の作成 13 号棟実習場には元々古い課題用の収納型基礎が 設置されているが,現在までに何度か課題が変更され たことにより,活用されていない.新規課題ではその収 納型基礎を活用し,実習を行わない場合は基礎部を収 納出来るように改善することとした.新しい基礎は既 存の収納型基礎の上に新規課題用のアンカーボルトが 設置出来る鋼板をボルトで固定する構造とした(図 3,4).鋼板を加工する際は精度良く加工するために原 寸図を作図し,マグネットボール盤を用いて穴加工を 行った. 設置後は,トータルステーションを用いて精度確認 した.その結果,新規課題に使用する全てのアンカーボ ルトの位置は,設計値に対して 3mm 以内の誤差となっ ており,許容範囲内 2) であった. 図3 収納型基礎 図4 断面図 5.受入れ検査 納品された梁,スプライスプレート,ガセットプレ ート,スチフナー及び吊りピースの受入れ検査(図 5,6)を行った.検査結果は,全ての部材が管理許容値 2) を満たしていた. 図5 大梁 受入れ検査 図6 SPL 受入れ検査 6.溶接・溶接部検査 大梁及び一次小梁にガセットプレート,スチフナー 及び吊りピースを半自動溶接機で溶接接合した.溶接 の際は,周囲をスパッタシート等で十分に養生し,安全 対策を行った.溶接後は外観検査として,溶接欠陥や余 盛や脚長不足の確認を行った.確認した結果,一部にサ イズ不足やアンダーカット等が見られたため,検査後 に補修を行った.また,主要な接合部は超音波探傷試験 を行った. 7.足場計画 現在の課題は屋内スペースが狭いため,内部足場を 設置出来ず,毎回ローリングタワー(図 7)を複数回昇 降させ,ボルト施工をしており,施工性が悪く,改善が 必要である.そこで,新規課題は内部空間を拡大させる 居住・建築システム技術系 開発課題

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