応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第24回 ポリテックビジョン in 栃木 147 3 . 4機械継手 底盤と壁を緊結するために , 図 9 に示す鉄筋の継手 はモルタル充填式機械継手(東京鉄鋼(株)製トップ スジョイント)を採用した . 構造設計で求めた応力を基 に , 各壁に D13 の鉄筋用継手を 4 か所ずつ取付けた . 図 10 に示す引張試験体を製作し ,28 日後に引張試験 5) を 実施し , 鉄筋の母材破断を確認した . 3 . 5 PCa の製作 平滑な型枠を設置するために ,13 号棟実習場内に , 図 11 に示す根太材を配置し , その上に型枠を組み ,PCa 壁の製作を行った . また , アジテータ車の大きさや , 実習 場内の空きスペースを考慮し , 打設した . (図 12 )底盤 コンクリートと同様に品質管理 2),3) を行い , 設計強度が 十分に得られていることを確認した . 3 . 6接合用鉄筋施工及びモルタルまんじゅうの設置 底盤と壁を緊結するためにケミカルアンカーを使 用して , 図 13 に示す接合用鉄筋を設置した . 将来的な解 体を考慮し , 接合用鉄筋をあと施工にした . また , 壁の建 方の前に底盤の不陸調整用に , 図 14 に示すモルタルま んじゅう 4) を設置した . 3 . 7建方計画及び建方 壁の重量と安全性を考慮して ,10t のラフタークレー ン(図 15 )を手配し , 壁の建方計画を行った . 現場まで の PCa の運搬は , 実習場内は天井クレーンを使用して 揚重し , 現場での荷卸しにはトラッククレーンを用い た . 建方を効率よく実施するために , 配置計画を作成 し , 荷卸し場所や PCa の積み重ね方法などを決定した . 建方では , 作業計画書を事前にクレーンオペレーター の方に確認していただき , 作業の流れや施工場所 , 運搬 ルート , 使用吊具などの取り決めを行った . 建起こした 壁は , 底盤上に置かれているだけのため , 外力等による 転倒防止用に専用の支保工材(図 16 )を設置した . 支 保工材は , 自分たちで建入れ直しが行えるよう圧縮 , 引 張両方向に長さ調整ができるものを選定した . さらに 壁の上部にアングルやフラットバーを使用した緊結材 を製作し , 頭つなぎとして設置した . 3 . 8機械継手のモルタル充填及びコッター部施工 機械継手に専用モルタルを充填して壁と底盤を緊結 した . 使用した専用モルタルは施工時にスランプ試験 やテストピースを採取し , 品質管理 5) を行った . 壁面を 一体化させるためにコッター筋の現場溶接 4) (図 17 ) を行った後に , 型枠を設置してモルタルを 2 回に分け て打設 4) した . (図 18 ) 3 . 9屋根施工 H 形鋼とリップ溝形鋼を使用し , 小屋束 , 母屋 , 垂木を 製作し ,PCa 上部に取り付けた . その後リップ溝形鋼に タイトフレームとキックルーフを取り付け , 雨どいを 設置し , 塗装を行って竣工とした . 4 . まとめ PCa 工法の施工管理においては , 揚重計画や安全対 策の重要性を理解することができた . 他にも , 天候不良 や施工時の数々のトラブルがあったが , 班員と対策を 考え , 協力して取り組むことで , 乗り越えることができ た . この開発課題で学んだ知識や技術を社会に出た際 に活かしていきたい . 参考文献 1) 壁式鉄筋コンクリート造設計・計算基準・同解説 日本建築学会 2) 公共建築工事標準仕様書(建設工事編)公共建築協会 3) 建築工事監理指針(上巻)公共建築協会 4) 建築工事標準仕様書・同解説 JASS10 日本建築学会 5) トップスジョイント設計指針標準仕様書 東京鉄鋼株式会社 図 9 トップスジョイント 図 10 機械式継手引張試験体 図 11 根太材設置 図 12 打設風景 図 13 接合用鉄筋 図 14 モルタルまんじゅう設置 図 15 建方作業風景 図 16 支保工材 図 17 コッター部溶接 図 18 コッター部打設 根太材 支保工材

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