応用課程 開発課題20周年史
関東職業能力開発大学校 第24回 ポリテックビジョン in 栃木 146 資材収納用屋外倉庫の施工及び施工管理 グループ10 建築施工システム技術科 阿部 一輝 牛木 大地 ○小島 裕也 島野 力 中田 怜汰 1. はじめに 13 号棟実習場では , 実習において使用頻度の低い機 器や資材が多く収納されているため , 収納スペースが 不足している . そのため , 整理整頓ができていない現状 があり , 改善が必要である . また , 高層建築物において 鉄筋コンクリート造(以下 :RC 造と称す)の施工方法 では , 工場でプレキャスト鉄筋コンクリート(以 下 :PCa と称す)を製作後に現場に搬入し , クレーン等 の揚重機を使用して建方を行う .PCa を用いた鉄筋コ ンクリート構造(以下 :PCa 工法と称す)が用いられる ことも少なくない . そのため ,PCa 工法を学ぶことは重 要であると考える . 本開発課題では ,PCa 工法を用いた 壁式構造で屋外倉庫を設計 , 施工及び施工管理するこ とで , 実習場の作業環境の改善と RC 造に関する知識及 び技術の更なる習得を目指すこととした . 2 . 設計概要及び施工計画 規模・・・ 3m×3.35m 最高高さ 3.1m 構造形式・・・壁 : PCa を用いた壁式 RC 造 屋根:鉄骨造を用いた折版屋根 収納する資材の収納方法を検討し , 図 1 に示す平面 計画とした . その後 , 部材に生じる応力を考慮して , 構造 設計 1) を行い , 接合部等の詳細を決定した .PCa の壁は 施工性を考慮して , 壁単体の重量が 1.5t 以下となるよ う設計した . 安全で計画的に建物を施工するには施工 計画 2) ~ 4) が重要である . 竣工日から逆算して工程計画 を作成した . また , 品質面では施工図の作図からコンク リートの打設や使用材料の品質検査に関する計画書を 作成した . 安全面では ,PCa の運搬計画や建方の際の揚 重計画について十分な計画を立てた . コスト面では必 要材料を積算し , 必要な予算を算出した . 3 . 施工 3 . 1掘削及び底盤型枠の施工 測量して掘削場所を決定し , 掘削を行った . 掘削場所 は砕石が転圧されており , 手掘りは困難だったため , 油 圧ショベル(図 3 )で作業した . 掘削後 , 加工図から型枠 を製作し , 設置した . 配筋はダブル配筋とし , 外周部に D13 の鉄筋を使用し , 中間部は D10 の鉄筋を 150mm (図 4 )間隔で設置した . 3 . 2底盤コンクリート打設 4m×4.35m の底盤内でコンクリートの厚みが 200mm 以上になるように打設を行った . 打設計画時の コンクリートの使用量は 3.5m 3 としていたが , 打設量 は 4 m 3 となった . 原因としては , 掘削深さが予定以上に 深い部分があったためである . ビーム材を用いた足場 (図 5 )を設置し , 中央部でも十分な作業ができるよう に施工計画を行った . 打設したコンクリートの品質検 査 2),3) を行い空気量が 3.3 % , スランプ値が 16.5cm とな った . 打設後 28 日経過したテストピースの圧縮強度は 26.2kN/mm² となり , 設計値を満たしていることを確 認した . 3 . 3壁型枠の製作及び配筋 PCa 9 枚分の製作用に壁型枠の加工図面を作成した . また , 配筋が正確に行えるように型枠に鉄筋固定用の 穴加工を施し , 配筋した . さらに型枠の施工精度を高め るために , 組立てには木ネジを使用した . 接合部となる コッター部はスタイロフォームを設置し , 脱型後の鉄 筋溶接用スペースを確保した . 居住・建築システム技術系 開発課題 図 1 平面図 図 2 完成予定図 図 3 油圧ショベル 図 4 配筋完了 図 5 中央部足場 図 6 コンクリート品質検査 図 7 PCa壁のコッター配筋 図8 PCa壁の配筋 固定穴 スタイロフォーム
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