応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第24回 ポリテックビジョン in 栃木 140 関東職業能力開発大学校改善計画 - 本館エントランスホールのリニューアル - グループ7 建築施工システム技術科 岩城 巧 大竹 実幸 金澤 春菜 谷 真登 ○森島 聖 1 .はじめに 関東職業能力開発大学校(以下「関東能開大」)の本 館は,2001年に建設され,築18年を迎えた.関東能開大 では,来訪者及び在校者のため,本館エントランスホー ルの改善を検討している.関東能開大では,本館エント ランスホールのリニューアルを検討するために,エン トランスホールリニューアルワーキンググループ(以 下「リニューアルWG」)が設置されている. 2 .目的 関東能開大のエントランスホールは建設当初には なかった,展示スペースや打ち合わせスペースなどが 併設されている.本課題では,エントランスホール及び 各スペースの有り方を,総合的かつ計画的に考え,改善 の提案を行う.これにより,計画の知識を習得する.本 課題では,本館エントランスホール,展示スペース及び 1 号棟サブエントランスホールの範囲を対象とする. 計画はリニューアルWGで検討された内容について,改 善案の設計図書を作成し提案するものとする. 3 .エントランスホール等概要 本校の主出入口であるエントランスホールは,円型 の風除室と隣接している.上部は 2 層吹き抜けとなっ ており,本館と1号棟を結ぶ渡り廊下が通っている.西 側には,打ち合わせスペースとして円型のパーテーシ ョンが設置されている.展示スペースは,当初ラウンジ として計画されていたが,現在は開発課題等の研究作 品を展示している.また,他空間と比較すると天井高が 低い.サブエントランスホールは,主に体育館や視聴覚 教室等への動線として在校者が使用している. 対象範囲の内装仕上げは,天井が岩綿吸音板,壁が アクリル樹脂塗料,床がビニル床タイルである.サブエ ントランスホールの床は,陶器タイルとなっている. 4 .施設調査 改善案を作成するにあたり,施設調査を実施した.施 設調査により,学生製作の作品が見づらいことや,新規 来訪者にとって受付の位置がわかりにくいこと,大型 ディスプレイや打ち合わせスペースが活用されていな いという問題点が分かった.また関東能開大としては, 校のアピールとなるものの導入や,校長室や会議室に ある賞状や楯の展示を要望としている. 5 .BIMの活用 図面の作成には , BIMを用いて3次元モデルを作成し た . 作成には,GRAPHISOFT 社の ARCHICAD22 を使用し た.BIM ソフトでは,様々な情報を入力・格納した 3 次 元モデルを作成することにより,整合性のとれた図面 と設計図書を作成することが出来る. 6 .改善計画 6.1 設計理念 計画は,主に来訪者の目線で実施し,教職員及び学 生へも考慮し,改善の検討を行う. 本計画のコンセプトは,「人とモノを繋げ,新たな知 識を共有することで,人と人を繋げる空間」である. 人がモノを利用,観覧,活用することで人が集まり コミュニティを向上させ,繋がりを強くする空間作り とする. 改善計画は 5 つの設計方針を踏まえ計画する.以下 に設計方針を記す. ① 利用者が利用しやすい空間 利用者の用途に合わせ安心で優しく,誰もが使いや すい空間とする. ② 関東能開大の魅力発信となる空間 関東能開大の学生による作品の展示や,情報機器の 設置によって,魅力を来訪者に発信する空間とする. ③ 変化に対応できる空間 将来の変化に対応しやすく,利用者の要求に対応出 来る空間とする. ④ 交流の場となる空間 誰もが容易に空間にいられる環境を整え,人と人の 繋がりを大切にし,交流できる空間とする. ⑤ 施設管理が容易な空間 施設の維持管理やセキュリティに考慮する空間と する. 6.2 色彩計画 全体のデザインとして,シンプルを基調とし,アク セントカラーとして関東能開大のシンボルマークの色 である,緑を取り入れる計画とした.緑を取り入れるこ とで,来訪者の記憶に残るだけでなく,新鮮さをアピー ル出来る.また,シンプルを基調とすることで,よりさ わやかな清潔感を演出する.緑は,植栽やサイン等に取 り入れた.また,渡り廊下の側面にも緑を取り入れ,来 訪者に印象付ける. 居住・建築システム技術系 開発課題 140

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