応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校第24回 ポリテックビジョン in 栃木 139  屋根:仕口は溶接,継手はボルト接合 仕上げ材は六角ビスで接合 図5 屋根仕上げ納まり図 3.施工計画 3.1 躯体鉄骨建方計画 柱(最大重量 95kg)の建方を行うため,外部足場の 上部に単管パイプを流し,チェーンブロックで揚重を 行う計画とした.その後,桟木と鉄骨クランプを用いて 足場に仮固定し,倒壊防止を図る. 図6 躯体建方計画図 3.2 建て入れ直し 柱頭にレバーブロックを設置し,柱脚のボルトを緩 めた後,レバーブロックで引張り位置を修正した.修正 後,ナットの手締め,傾れが許容差内であることを確認 し,本締めを行った. 3.3 屋根下地鉄骨施工計画 屋根材は現場施工を容易にするため,主材方向と枝 材方向に分割して制作し,現場で接合する納まりとし た.主材と枝材の接合部は完全溶け込み溶接とした. EP シェルは下端が水平となる.実習場で原寸の墨出 しを行い,山形鋼で高さを決め,溶接した.その後,建方 を行った. HPシェルはEPシェルのような手法がとれないため, 現場で仮組みし,その後本溶接を行った. 4.施工管理 4.1 品質管理 発注した材料の仕様や数量を確認し,受け入れ検査 を行った.また,切断,穴あけ,溶接などを行った部材の 加工精度を確認した.溶接に関しては,余盛高さの計測, 超音波探傷検査を行い,溶接不良の有無を確認した. 4.2 工程管理・安全管理・原価管理 工程管理では材料発注,鉄骨加工,鉄骨建方,屋根鉄 骨設置,屋根仕上げをマイルストーンと定め,工程管理 を行った. 安全管理では毎日全員で朝礼としてラジオ体操,危 険予知活動,指差呼称を行った.また,作業日誌ととも に危険予知活動表を作成した.現場では高所作業時,安 全帯を必ず着用した. 原価管理では見積書をもとに材料費を算出した.合 計で769,136円の費用を費やした. 5.性能評価 5.1 躯体の精度 柱頭部分の精度測定結果を示す. 表2 柱頭の精度測定結果 管理許容値である柱の高さの h/1000 の 5.8mm 以内 を目指して管理し,全ての数値で限界許容値である柱 の高さのh/700の8.3mm以内に収めることが出来た. 5.2 仕上げ材の精度 屋根下地材の節点の座標を計測する.2.1の式に数 値を代入し,HPシェルおよびEPシェルの形状を実現で きたか確認する. 6.おわりに 本課題では,鉄骨造による HP シェルと EP シェルの 設計と施工管理を行った.適切な設計,構造計算,施工 計画を行うことで,2 種類のシェル構造の実現に成功 したと考えている.工期の後半は時間に追われながら の作業が増えたが,けが人を出さずに安全に施工でき た.本課題で学んだことを踏まえて自信を持って就職 していきたい. 図7 HPシェル・EPシェル躯体 参考文献 1) 藤井大地:Excelで解く3次元建築構造解析, 丸善株式会社,2005年 2) 公共建築協会:建築工事監理指針(上巻), 建設出版センター,2016年 x y z x y z x y z C1 4950 0 4910 4953 -6 4903 -3 6 7 C2E 4050 -1559 4120 4057 -1560 4118 -7 1 2 C2W 4050 1559 4120 4053 1554 4120 -3 5 0 C3E 2250 -1559 3566 2256 -1558 3567 -6 -1 -1 C3W 2250 1559 3566 2254 1553 3566 -4 6 0 C4 1350 0 3858 1351 0 3852 -1 0 6 C5 1356 11 3672 1354 8 3665 2 3 7 C6E 2256 -1570 3072 2255 -1571 3065 1 1 7 C6W 2256 1548 3072 2248 1551 3068 8 -3 4 C7E 4056 -1570 2529 4056 -1570 2528 0 0 1 C7W 4056 1548 2529 4056 1554 2525 0 -6 4 C8 4956 11 2607 4957 11 2605 -1 0 2 設計値 A(mm) 測定値 B(mm) 誤差 A-B(mm) 139

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