応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第23回 ポリテックビジョン in 栃木 135 13号棟内に施工するため,120×60㎜のリップ溝形 鋼を代替基礎として用いた.コーナー部等,リップ溝 形鋼の接合はL型鋼とボルトで固定した.アンカーや ホールダウン金物の代用として用いる全ねじボルトを 取り付けるところにマグネットドリルを用いて穴をあ けた.その後,床にグリップアンカーを埋め込み,所 定の長さに切断した全ねじボルトを取り付け,代替基 礎を座金とナットを用いて固定した.代替基礎の上に 通気基礎パッキンを敷き詰め,土台には105㎜角のス ギKD材を加工し,レベル調整を行った上で代替基礎 上に設置した. ロフトを設け,最高高さが4632㎜あることから,三 層の足場を設置した.その後,柱を建込み,重量があ る梁材は天井クレーンを用い施工を行った.必要部分 に羽子板ボルト等の各種金物の取り付けを行い,大引 き・間柱・筋交いを設置した.小屋組は軒桁,棟木, 垂木等の設置を行った. 軸組み完了後,根太レス工法としたため,床下地に 24mm厚の構造用合板を張った. 表1.部分模擬家屋仕様概要 工法 在来軸組工法(根太レス工法) 平面サイズ 1FL:3640×2730㎜ ロフト:1820×2730㎜ 延床面積 9.94㎡(芯間) 屋根形状 切妻(施工は棟木からX3通り方向のみ) ロフト床高 2628㎜ 最高高さ 4632㎜ 開口部 玄関開き戸・水回り腰窓 3.2.2.内装施工 建具は半外付け用を小窓,玄関ドアともに用いた. サッシに窓枠,ドア枠を取付け,枠材の水平および垂 直を確認しながら開口部に取り付けた. 壁,天井下地材において,水廻り部分および階段が 取りつく面には合板を用いた.その他の場所は天井含 め,石膏ボードを下地材として用いた.各下地面材を 張った後,継ぎ目やコーナー部,ビス頭を下地用パテ によって平滑になるようにした. 階段はスケルトン階段とし,施工はささら桁の加工 から行った.ささら桁は2×10材を用い,踏み板がは まり込む部分をルーターや丸ノコで欠き込み加工を行 った.加工した部材の塗装を行い,ささら桁と踏み板 を金物で固定した.また,階段のオープン面側に手す りを設置した.ロフト部分は構造部材である柱を一部 見せる仕上げとし,その柱に合わせて柵を設けた. 壁,天井にはクロスを貼った.床仕上げはPタイル やフロアシートを仕上げ材として用いた.接着には本 来ボンドを用いるが,解体まで行うことから両面テー プで代用した.その後,壁と床の取り合いには幅木を, 天井と壁の取り合いには廻縁を取り付けた. 図3.完成写真 4.施工管理 品質管理において,今回用いた木材は人工乾燥され た木材であったが,確認の目的で抜き取りによる含水 率とヤング率の測定を行った.木材によって多少の差 異はあったが,測定をした材は規定を満たしていた. コスト管理において,開発課題の予算内に収まるよ うに計画した.各部材の必要数量と単価を確認し,積 算表を作成した.その結果,使用金額が422,610円と なり,予算以内で完成することができた. 工程管理において,工程表を作成した.施工に至る 前の計画に想定以上に時間を要してしまったことや, 施工手順の確認不足や施工ミスによる手戻りが発生し てしまい,工期の遅れが生じた.最終的に目標まで仕 上げることは出来たが,計画を立て,その計画を滞り なく実施する難しさや大切さを改めて学んだ. 安全管理において,本開発課題では高所作業を伴う 施工作業のため,安全帯およびヘルメットの着用の徹 底と,足場に上がってからの作業には特に注意をして 実習に取り組んだ. 5.おわりに コンパクトハウスの計画・設計を行い,部分模擬家 屋の施工を行った.苦労した部分も多く,仕上げの出 来に関して反省点はあるが,今までの実習では行った ことがないロフト部分と階段の計画と施工,また,天 井クロス仕上げ施工や,Pタイル等の床仕上げ施工に 取り組むことが出来た.本開発課題を通じて,木造住 宅施工の興味や知識が深まり,貴重な経験となった. 参考文献 (1)平成30年グラフでみる世帯の状況 国民生活基礎調査(平成28 年)の結果から,厚生労働省政策統括官,2018 (2)フラット35対応 木造宅工事仕様書 平成28年度版,株式会社井 上書院,2015 135

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