応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第23回 ポリテックビジョン in 栃木 134 jんtりうてろhgじ3 コンパクトハウスの設計と部分模擬家屋の施工・施工管理 G9 建築施工システム技術科 ○座間 育美 玉澤 瑞貴 大森 麗奈 楠本 琉夏 福富 圭 登坂 宗徳 山口 辰幸 1.はじめに 建築施工システム技術科の木構造施工・施工管理課 題実習と内装施工実習において実習棟内に2×4工 法による模擬家屋の施工を行っている.これら施工実 習では躯体施工と内装施工を総合し行うことによって より実践的な技術を習得できるとともに,図面の作成 から建物の仕上げまでを取り組むことができる実習と なっているが,3グループでそれぞれ同じ規模で取り 組むため,間取りは同一であり,実際の住宅の様な間 取りとはなっていない.また平屋造りであるため階段 等の施工は取り組んでいない. 本開発課題では,コンパクトながらも住宅の様に間 取りを検討しマスタープランを作成し,その要素をま とめた部分模擬家屋の施工を行う.また,ロフトおよ び階段の施工に取り組み,複合的な木造住宅の施工技 術や施工管理のノウハウを習得することを目標とした. 2.模擬家屋の設計概要 今回は実際に施工および施工管理まで行うため,施 工場所である建築施工システム技術科実習棟(以下13 号棟)の一区画を敷地と想定し,コスト面も踏まえた 上で施工可能な計画を行った.施工は特に内装仕上げ を重視して行うため,躯体施工や外装施工は一部簡略 した施工とした. 2.1.マスタープランについて コンパクトハウスを設計するにあたり,規模を決め る為,世帯人員数の検討を行った.平成30年に公表さ れた政府統計資料 (1) を確認したところ,2016年におけ る日本の平均世帯人員は 2.47 人となっている.また 世帯人員別にみた世帯数の構成割合の年次推移をみる と,3人世帯以上の割合は年々減少している状況であ り,2人世帯以下が増加している傾向にある.これら のことから,世帯人員数を大人2人程度とした. 図1.マスタープラン平面図 間取りはワンルーム型のLDKにロフトを設けた. 昇降の容易性,安全性を考えて,ロフトへの昇降には 梯子ではなく階段とした.また,限られた空間をなる べく広く利用できるようにするため,玄関には土間を 設けず,キッチンと連続させた(図1). 2.2.施工用部分模擬家屋について 施工場所である 13 号棟のスペースは限られている こと,また計画したコンパクトハウスは26.50㎡(3.64 ×7.28m)と小規模であるものの,コスト的に,また, グループ9のメンバー7名で施工することから,工期 の面でも全体の施工に取り組むことは難しい.そこで 本開発課題では,施工計画上重要となる部分を確認し, マスタープランを基に,施工用の部分模擬家屋を製作 することにした.部分模擬家屋では木質構造施工・施 工管理課題実習や内装施工実習では取り組んだことの ない,玄関,トイレ,階段部分およびロフト部分の施 工に絞り計画を行った(図2). 図2.部分模擬家屋平面図 3.部分模擬家屋の施工 3.1.施工概要 部分模擬家屋の施工概要については表1の通りで ある.工法については木造在来軸組工法とした.戸建 て住宅では在来軸組工法が主であること,また,ロフ ト部では,柱や梁,小屋束等を部分的に見せる納まり としたことが理由である. 3.2.施工作業 3.2.1.躯体施工 躯体施工は【フラット35】対応木造住宅工事仕様書 平成28年度版 (2) を参考に行ったが,本開発課題では解 体までを行うため,金物の固定の際に釘の代用として コーススレッドを用い固定している. 居住・建築システム技術系 開発課題 134

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