応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第23回 ポリテックビジョン in 栃木 131 z x y し直貼りとした.S部はT形鋼のウェブとフランジの 頂点を結ぶように受け材を溶接し仕上げ材を留めつけ る納まりとした. 5.施工計画 主な施工計画を以下に示す. 5.1コンクリート打設計画 断面が小さく,鉄筋やセパレータがあることで,コ ンクリートが充填されない懸念があるため,調合を豆 砂利30-18-10(N)とし,また,流動化剤BASF使用によ り,スランプ値を18㎝から21㎝に増加させ,コンクリ ートの流動性を高めた. コンクリート中間投入口を設け,高所からの打設に よる材料分離防止の対策を図った. 5.2揚重計画 S造の建方工事を行う際,部材の重量が大きく人力 で揚重することができないため,クレーンでの揚重計 画を策定した.躯体が所定の位置・角度に納まるよう, 重心などを考慮し,事前に実習棟内で揚重を行い検証 し,吊り位置を決定した. 5.3建方計画 躯体の建方は,RCの頂部から中央に向かって対象に 行う計画とした.1パーツ毎に仮ボルトで固定し取り 付けていく.支保工として足場からレバーブロックと チェーンにより部材を曲線の外側に引張り固定する. ウェブ側には単管を直交させクランプを用いて固定す る.建方完了後,高力ボルトにより本締めを行う. 図5.3 建方計画図 6.施工管理 6.1品質管理 受入検査を行い,品質・数量・サイズが発注通りか 確認を行った.鉄筋は加工後,加工精度チェックを行 い,配筋した後,配筋検査を行った.コンクリート打設 後,現場水中養生を行い,圧縮強度試験を行った.鉄骨 部材加工後,切断寸法・孔径・位置の精度チェックを 行った. 6.2原価管理 コスト削減のために,型枠にはコンパネではなく合 板を使用,コンクリート打設時にはポンプ車を使用せ ずフォークリフトを使用する工夫をした.また,学校に ある残材を活用し,コストの削減を図った. 6.3工程管理 当初,計画した年間の工程表と伴に,打設日や建方な どを軸とし,各工事期間ごとに細かい工程表を作成し, 工程の把握や人員の確認,工期の短縮を図った. 6.4安全管理 実習時には,朝礼によりラジオ体操,KYK(危険予知活 動),指差呼称を行った.また,予めリスクアセスメント 表を作成し,事故の防止に努めた. 7.性能評価 管理許容値は高さとスパンの1/100の60mmとす る.上棟時にトータルステーションを用いて座標の算 出を行った.RC部は最大誤差X方向+26mmであった.S 部は最大誤差Z方向-18mmであった.Y方向の誤差は RC部では16mmであったがS部では2mmであった.RC 部での誤差をS部で修正できたといえる. 仕上げ工事を行った後,再び座標の計測を行ったと ころ,誤差60mm以内であったためカテナリー曲線を実 現できたといえる. 図7 上棟 8.まとめ 本課題では,カテナリー曲線を用いた構造物の設 計・施工及び施工管理を行った.適切な施工計画の策 定を行うことにより,カテナリー曲線を実現すること ができた.また安全にかつ想定した工期内に完成する ことができた.このことから施工計画は有用であった といえる.本課題で学んだ施工計画・施工管理の有用 性を踏まえ就職後にも活かしていきたい. 9.謝辞 本課題を進めるに当たり , 溶接作業の際には菅野先 生をはじめとする生産機械システム技術科の先生方に はご指導を賜りました . また東京鐵鋼株式会社からは 製作に必要なネジテツコンとプレートナットを提供し て頂きました . 厚く御礼申し上げ感謝の意を表します . 10.参考文献 ・Jefferson National Expansion Memorial (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3 ) ・Basis of calculations ( https://www.flickr.com/photos/csondi/872062062 ) 131

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