応用課程 開発課題20周年史

関東職業能力開発大学校 第22回 ポリテックビジョン in 栃木 124 振動発生装置を用いた振動学習用教材の作成 グループ9 建築施工システム技術科 〇伊澤篤志 石塚諒馬 生井貴大 亀田大 中村真樹 益子結衣 1. テーマ背景・目的 日本は,地震が多発している国である.過去には, 関東大震災や東日本大震災などの地震が発生しており, 家屋の倒壊や震源から離れた場所の高層建築物でも大 きな揺れを感じた.この揺れには,固有周期が関係し ているとわかっている. 当大学校の建築施工システム技術科 13 号棟実験室 には起振器と振動台(以下:振動台等)がある.昨年先輩 方が振動台等の操作マニュアルと構造解析の授業で使 用可能な実験マニュアルの作成を行った.それを元に 実験用立体モデルを作成し,振動学習用教材を作成す ることとした.また,二軸振動台を使用し木造耐力壁 の壁倍率について実験を行う. 2 . 課題概要 一軸起振器を活用した質点系モデルの作成と,二軸 振動台を活用した木造耐力壁の課題に取り組む. 2.1 質点系モデル 構造物の振動についてより深く学ぶため,昨年先輩 方が作成した二次元モデルでの実験を行い実験方法を 習得する.それをふまえて, 1 ~ 3 質点の立体モデルを 作成する.今回は,実験の幅を広げるためブレースの 取り外しが可能な形状とした.また,先輩方が作成し た教材に加筆する. 2.2 木造耐力壁 木造耐力壁の壁倍率を振動試験で評価できないか実 験を行うこととした.壁倍率の異なる 2 タイプの耐力 壁を製作し実験を行い固有振動数や応答加速度の比 較を行う.この実験が今後の先駆けとなるように,実 験マニュアルの作成を行う. 3 . 研究内容 3 . 1 教材の加筆 去年先輩方が作成した教材に立体モデルの振動数, 周期の計算,振動モード(図 1 )などを加筆する. 図 1 各モード別振動イメージ 3.2 質点系立体モデル 設計では,共振状態を視認しやすいモデルにするた め,柱の高さ 270mm ,厚み 1 . 5mm とした.材質は, 柱材はステンレス,床材は比重の大きい真鍮を使用す る.(図 2 ) 固有値計算において,質量 m は床材と柱材の半分の 質量 m とし,構造階高hは柱下部の柱脚固定用真鍮の 上端から床材の中心までとする.(図 3 ) 図 2 質点系モデル 図 3 質量mと構造階高hのモデル化 3 . 3 木造耐力壁 ・耐力壁の検討 耐力壁は土台・柱・桁・梁とも 105mm 角の杉材を 使用して,筋かいは 45mm×90mm の米松材とし,壁 倍率が 2 倍,たすき掛けで 4 倍の二つのタイプを作成 する.また,耐力壁が1枚では安定しないため,耐力 壁は 2 枚で一組とし,桁材に大入れ蟻掛けを加工し梁 材を架ける.その上に厚さ 24 ㎜の構造用合板を N75 釘で 150mm 間隔に打ち付け,剛床とする.(図 4 ) ・おもりの検討 一般の住宅では,壁の上に床や家具などの荷重が掛 かる.そのため荷重を想定し,おもりを置く. 居住・建築システム技術系 開発課題 124

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