応用課程 開発課題20周年史
関東職業能力開発大学校 第22回 ポリテックビジョン in 栃木 120 RC造における劣化調査用教材の作成 グループ7 建築施工システム技術科 〇和田真弥 梶原達哉 加藤駿 北代遊楽 栗原和也 土岐充 1.はじめに 学校や病院といった構造的に高い強度が求められ る建築物には鉄筋コンクリート構造(以下: RC 造) が多く用いられている.環境的な側面から RC 造建 築物には長寿命化が求められており,建築物の劣化 調査は重要な要素となっている.多くの建築技術者 を輩出している建築施工システム技術科の学生も RC 造における劣化調査の技術を習得することは必 要不可欠である.そこで本開発課題では,劣化調査 の中でも非破壊検査を中心とした検査方法の習得に 取り組むこととした.検査機器には十分な精度が得 られないものもあるため,使用機器の性能確認も行 った.劣化調査技術の習得に当たり,検査する構造 体の施工・施工管理を行い,構造体の製作には,建 具廻りの施工及びタイルの施工も加え,標準課題等 で未体験の施工に関する技術の習得にも取り組んだ. 習得した技術は卒業後に施工管理系の会社に就職す る私たちにとって有用なものになると考える. 2.劣化調査項目と使用機器の選定 劣化調査には様々な方法 1) がある. RC 造建築物 における主要な劣化現象と劣化調査内容を表 1 に示 す.本開発課題では,学内にある非破壊検査機器を 中心に劣化調査の技術習得に取り組むこととした. 3.構造体 各機器の動作確認を行い,劣化調査の対象とした 項目を検査できる構造体を製作した.構造体は以下 に示す4種類製作した.鉄筋探査用構造体を図1に 示す. 製作した構造体 1:ひび割れ深さ用構造体×3 2:鉄筋腐食探査用構造体×1 3:鉄筋探査用構造体×2(図1) 4:表面劣化探査用構造体 強度劣化調査用構造体 図1 鉄筋探査用構造体 4.施工・施工管理 劣化調査用構造体はRC造であるため,施工中は施 工管理につにても様々な取り組みを行った.品質管 理では,鉄筋を正確に配筋するために型枠に穴をあ けるなど構造体の精度が高くなるよう工夫した.打 設時にはコンクリートの受け入れ検査の実施及びテ ストピースを採取し,強度試験を行った.建具廻り の施工では建具を木製楔で固定し,溶接により固定 した.建具と躯体の間はモルタルで充填を行った. 表面劣化調査用構造体はスタイロフォームを埋め込 むことによって測定時の温度差が出るようにした. タイルは45二丁掛けタイルを使用し,施工面積が小 さいため,接着剤により施工した 2),3) . 図2 建具廻りの施工 表1 劣化現象と劣化調査 劣化現象 劣化調査内容 機器名 1 ひび割れ深さ 超音波を利用してひび 割れ深さを測定する. TICO 2 鉄筋腐食 酸化還元反応を利用し 腐食探査を行う. Proceq Corrsion 3 鉄筋探査 電磁誘導法を利用して , 電圧変化からかぶり厚 さと鉄筋径を測定する. Ⅰ.Profometer 4S Ⅱ.Profoscope 4 強度劣化 コンクリートの表面の 硬度を測定し,圧縮強度 を測定する . Digi-Schmidt 5 表面劣化(引張) タイルを引っ張り,引張 強度を測定する. OX DIGITAL GAUGE 表面劣化(赤外線) 赤外線で温度差を確認 する. InftaRed Camera 居住・建築システム技術系 開発課題 ×1 120
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