設計技術者がもっともよく利用する「JIS B 0001機械製図」が2019年に改定されました。そこでまず、新しい規格の意図と機械製図の基本事項について学びます。ところが実際の加工では”与えられた寸法公差の中央値で加工する”ことが当たり前とされ、この方法では一定の割合で不良品が発生します。その原因は従来の図面が「寸法公差方式」で描かれているからです。そこで、これを「幾何公差方式」で描くと歩留まりが極端に改善し、組立て誤差が予測でき、さらに測定も容易になります。このように図面のもつあいまいさを排除した「幾何公差方式」は、機械技術者にとって必須の知識です。本講習を受講することで、従来の寸法公差方式で描かれた図面があいまいであり、「幾何公差方式」がいかに優れた規格であるかを理解できます。なお、別講習の「最大実体公差方式の解釈と活用演習」と併せて受講することで、幾何公差の意図を理解できるため、おすすめです。
1.コース概要及び留意事項
2.バラツキとは
(1)機械加工におけるバラツキ (2)測定の不確かさ
3.データム
(1)データムの考え方と図面指示の原則
(2)データムに対する幾何公差の指示
4.幾何特性と幾何公差
(1)設計意図と幾何公差 (2)幾何公差表示の原則 (3)公差領域の理解
(4)サイズ公差と幾何公差の関係
5.幾何公差の解釈と活用方法
(1)形状公差(真直度・真円度・平面度・輪郭度・円筒度)
(2)姿勢公差(平行度・直角度・傾斜度)
(3)姿勢公差としての線の輪郭度と面の輪郭度
(4)位置公差(同軸度・対称度、位置度)
(5)位置公差としての線の輪郭度と面の輪郭度
(6)振れ公差(円周振れ・全振れ)
6.機械加工と幾何公差
(1)幾何公差域の理解と加工誤差 (2)加工方法による幾何偏差への影響7.主要な幾何公差の検証実習
(1)定盤基準による真直度・平面度・直角度の測定技術
(2)真円度の測定技術
(3)同軸度の測定技術
(4)直角度・位置度・円筒度の解釈と3次元測定機による測定法の問題点
(5)平行度の測定技術
8.まとめ