建物の構造や使用される材料の種類や特徴、建築に関連する法規や建築図面の基本などの知識を習得します。
建築施工・CAD科
当該コースは、概ね45歳未満の方を対象に施設内訓練と企業実習を組み合わせたコースです。入所日までにジョブ・カードの交付を受ける必要があります。
- 訓練の概要
- 受講要件
- 受講料
- 受講者の入所前と修了後の職種(例)
- 訓練に関する職種と仕事内容
- 就職率
- 修了生の主な就職先
- 賃金情報
- 訓練で習得した職業能力の活用状況
- 訓練修了時に取得できる資格
- 関連する資格
- 就職後のスキルアップ
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
~CADを使って建物の図面をつくる、建物が設計どおりに造られているかを管理する!!~
中規模の建築物(主に鉄筋コンクリート造)の施工管理に必要な知識と技術・技能を習得します。また、CADオペレーターとして働くために必要なCADによる建築図面(平面図から施工図まで)の作成技術も習得します。
訓練目標
- 鉄筋コンクリート造の躯体・仕上における工事および管理ができる。
- CADによる施工図作成・積算・報告書作成などができる。
訓練期間
- 6カ月
- 7カ月(導入講習付きコース)
訓練内容
1. 建築知識

授業風景
2.CAD実習と施工図書
CADの基本操作を学び、建物の施工に必要な施工図の作成技術を習得します。

CAD実習
3.躯体施工実習(鉄筋工事)
実物大の建物を造る実習を通して、鉄筋コンクリートの骨組である鉄筋の配置・組立に関する知識と技能を習得します。

鉄筋の結束作業
4.躯体施工実習(型枠工事)
実物大の建物を造る実習を通して、コンクリートを流し込むための型枠の設計・加工・組立に関する知識と技能を習得します。

型枠の建込み
5.施工管理
工事現場における工程、品質などの管理・監督に関する基本知識を習得します。

施工手順の確認
6.企業実習
訓練の仕上げとして、訓練期間の終盤に企業実習があります。
実際の企業で実務を体験することで、しごとの流れや実作業等を理解し、現場力を習得します。

企業実習(イメージ)
受講要件
関連業種の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- 特になし
年齢
- 概ね55歳未満
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練の受講・修了に支障がない方(健康状態・受講態度など)
受講料
無料です。ただし、テキスト代などは自己負担となります。
受講生の前職と修了後の職種(例)
未経験の方でも、下記のような建築に関連する職種に就職されています。
(前職) (修了後の職種)
事務 → 建築設計・施工
接客 → 施工管理
営業 → 建築設計
事務 → CADオペレータ
調理 → 型枠大工
訓練に関する職種と仕事内容
一般的な職種名
- 施工管理・現場監督
- CADオペレーター
- 現場施工者
- 建築営業
- 建築事務
施工管理・現場監督の仕事
建築物の計画が終わった段階で設計士から仕事のバトンを受け継ぐのが建築施工管理・現場監督(以下、施工管理者)です。
受注が決まると施工管理者は、建築現場に出向き、現場状況の把握や現場周辺の環境調査を行います。その後、建築工事の作業全体の流れを把握するために作業手順を決め、資材・建設機械・職人を手配します。また、施主、設計者、設備工事関係者、専門工事業者などと詳細な打合せを行います。
工事中には、工事が安全で円滑に進行しているかの確認、資材や施工精度などの品質チェック、更には工事による騒音など、周辺地域への配慮なども行います。施工管理者は、建築工事全体の進行を管理し、現場全体を統括する仕事を担います。
入社したてなどの新任施工管理者は、CADで施工に必要な図面(施工図)を描いたり、現場管理の補助をしたり、職人とのコミュニケーションや指示事項の確認などを行います。
これらの仕事を行うには、専門的な工事知識や関係法令を知る必要があり、施工管理者には、常に高い能力と強い責任感が求められますが、建物が完成し、無事に施主に引渡される時には、やりがいや達成感、充実感が味わえるのがこの仕事の醍醐味です。
CADオペレーター
建物の意匠を設計するのではなく、意匠設計の図面を読み解き、現場と打合せをしながら、現場で作業するために必要な図面(施工図)を作成・修正し、建物の完成までを担う設計を生産設計といいます。
施工図の作成・修正は、施工を管理する現場監督が行うこともありますが、最近では、意匠設計だけではなく、生産設計も行う建築設計事務所が増えてきており、そのような事務所では、施工図を描くことのできるCADオペレーターが求められています。
現場施工者(型枠大工・鉄筋工などの各種職人)の仕事
専門工事業は、総合建設業(ゼネコン)の下請などとして、建築工事の一部を請負う建設業のことで、それぞれに特化した技能を持つ職人(型枠大工、鉄筋工、内装工、左官、塗装工、とび、土工など)をかかえ、建物の特定部分をつくり上げていきます。
このように建物全体の進行状況などを把握する施工管理に対し、専門工事業は部分的な工事にしか携わりませんが、より専門的な能力が求められる仕事といえます。
建築営業の仕事
建築営業には、訪問営業とルート営業の二通りの方法があります。住宅の場合、訪問営業のなかでも飛び込み営業は、昨今の悪徳リフォーム問題の影響もあり、数は少ないようです。最近では、展示場などで顧客情報を得て、DM(ダイレクトメール)を送り、反応があった方のお宅への訪問あるいは来店していただく営業方法が一般的です。実際に購買意欲のあるお客様に会うことになるので、営業でも「企画営業」という名前がついていて、図面などをうまくプレゼンテーションする能力が必要になります。一方、ルート営業は、小さな会社やメーカーの場合、新たな仕事を得るために元請や機器を採用してくれる会社に訪問する営業方法で、ときには自ら企画をもっていくなどすることもあります。
営業の勤務形態は、フレックスタイム制を導入している会社もあり、自由に出退勤できる反面、休みが不規則という会社が多いようです。また、人と会う仕事になるので、社会人としての最低限のマナーをわきまえている必要があります。さらに、自社だけでなく他社の商品の知識をもつ人が望まれます。
職種との相性(こんな方に向いている。)
- 体を動かしものを作ることが好きな方
- コミュニケーションがとれる方
訓練により就職可能な主な仕事
- 工事のはじめから終わりまでを取り仕切り管理を行う業務
- 鉄筋コンクリート造の建物の骨組みを組み立てる業務
- コンクリートを流し込むための枠を組み立てる業務
- 建物の仕上(床・壁・天井)の施工業務
- 建物が立ち上がるまでのコストの計算をおこない、建物にかかる予算などの算出を行う業務
求人票に記載されている職種名
建築施工管理、CADオペレーター、型枠大工、鉄筋工、その他各種職人
就職率
92.9%(平成30年度実績値)
修了生の主な就職先(過去3年間の実績)
賃金情報
- 建築施工管理・現場監督
未:月18~24万円
経:月25万円程度(30万円~の仕事も多い) - 施工技術者(専門工事業の場合)
未:時給1200円~(月24万円)
経:時給1500円~(職種や技量により差がある) - CADオペレーター(派遣・契約が多い)
未:時給1000円程度(月17万円)
経:時給1200円~(職種により差が大きい)
※未:未経験・もしくはスクール卒程度 経:実務経験者
訓練で習得した職業能力の活用状況
訓練修了時には、RC造に関する一連の施工管理業務を把握できます。訓練修了後は、訓練で習得した知識・技術をもとに就職先の現場で実践を積み、さらなるスキルアップを目指します。
訓練修了時に取得できる資格
足場の組立て、解体又は変更の作業に係る特別教育修了証
足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務を行う場合は、労働安全衛生法59条第3項および労働安全衛生規則第36条によって安全衛生特別教育規程に基づく安全又は衛生のための特別教育を受けた者でなければならないとされています。当センターでは、訓練期間中に足場の組立て等特別教育を実施し、訓練修了時に当センター所長名で特別教育修了証を交付します。
関連する資格
訓練で習得した知識や技能・技術を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。
※ただし、合格を保証するものではありません。資格の詳細については、各実施機関へお問合わせ下さい。
2級建築施工管理技士
鉄筋工事や大工工事、内装仕上げ工事などを含む建築工事の施工計画を作成し、現場での工事の進行を指揮・監督し、施工管理を行う人材を認定する資格です。1級は大規模工事を扱い、2級は中小規模工事を扱います。
(一財)建設業振興基金建築CAD検定試験 2級・3級
建築CAD検定試験は、建築用図面をCADを使って描く技量を測るもので、准1級・2級・3級・4級で構成され、社会から求められる実践型の実技試験という点が大きな特徴です。試験は、自らの建築知識をもとに与えられた条件のもと、建築一般図を作成する実力を測る(准1級・2級)、あるいは与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする技能を測る(3級・4級)など、CAD技術のみでなく基礎的な建築知識が必要です。
就職後のスキルアップ
就職後は、当センターで実施している短期間の 在職者向け職業訓練(能力開発セミナー)のご案内 (有料)を受講したり、就職先の実務経験を活かして、各種資格や技能検定に挑戦するなど、さらにスキルを向上させることができます。特に建築施工管理・現場監督として就職した場合、是非目指したい資格が「施工管理技士」と「建築士」です。これら資格を取得することにより、自己のスキルアップはもちろん、所属する会社の技術力の評価にも影響します。ただし、これらの資格を受験するにあたっては実務経験が必要で、その期間は受験する方のこれまでの学歴と職務経歴(実務経験)により異なります。受験資格に条件があり試験も簡単ではありませんが、職業的な地位を保障され、社会的な信用度も高い国家資格です。
当センターでは、就職後においても新たな職業能力の習得やこれまでの職業能力の更なる 向上に関する相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ
ポリテクセンター兵庫(兵庫支部/兵庫職業能力開発促進センター) 訓練第一課 受講者第一係
TEL
06-6431-7367
FAX
06-6431-7285