マイコン周辺回路を構築する技術(アナログ・ディジタル)を習得します。
どのように電流を流すのか、部品の使用用途はどのようなものか、回路の設計はどのように行うのかを習得します。電気は目に見えないので、設計通り動いているかを確認するためには専門の機器を使用する必要があります。そのため、測定のための知識を習得し、基本的な電子回路の作成方法を学びます。
生産情報システム科(訓練期間6ヶ月)のご案内
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
製造業における生産設備保守管理、電気電子制御機器製造、ソフトウェア開発部門に再就職を目指すコースです。電子回路、シーケンス・組込み制御、プログラミング技術など生産設備に関する技能と知識を習得します。
訓練全体(6か月間)の目標人材像(訓練目標)
- マイコンの仕組みについて学習し、コーディングおよびデバッグができるようC言語とマイコンを用いた制御の習得を行います。また、アナログ・ディジタル回路とシーケンス制御を習得し、それらを用いた制御ができるよう実習を通じて学習します。

訓練課題例1

訓練課題例2
総訓練時間
- 672時間
訓練到達目標
1.「アナログ回路・ディジタル回路」

2.「PC制御技術」
生産現場で使用されている機器(旋盤・コンベア・回転ターンテーブルなど)を制御するためには有接点シーケンス制御・PLCによる制御が必要になります。訓練ではシーケンス制御の基本を学習し、どのような機器を使って回路を作成・制御していくのかを習得します。また、PLCを使用した制御方法について学習し、パソコン上での回路作成・機器の動作確認を行います。訓練内では最終的に電動機(コンベアモデル)を使用し、実際の現場で想定される回路作成について習得します。

3.「組込みシステム開発のためのC言語プログラミング」
プログラムを作る上で必要なアルゴリズムやプログラミング技法を習得します。使用するプログラミング言語は、コンピュータプログラミングの分野で確固たる地位を築いているC言語です。C言語は、パソコン用ソフトウェアだけでなく組み込み機器の制御プログラムを記述するのにも多用されています。

4.「組込みマイコン開発」
マイコンの周辺回路の設計法と周辺装置の使用法、プログラミング法を自分のマイコンボードを使用し習得します。実際には、スイッチ,LEDの使用方法からはじまり、文字出力装置(LCD)、モーター制御などを習得します。

5.「組込みLinuxネットワーク」
電子情報業界で話題のIoT(Internet of Things)についての知識を習得するために、ネットワークの知識とそれらを併用したプログラミング技術を習得します。

6.「生産情報管理システム構築実習」
マイコンとパソコンを使用して、ここまでに学んだ内容を総合的に活用して生産情報管理システムの構築をグループで行います。共同作業となるため、全体の進捗管理やお互いのフォローなど、普段の訓練とは異なる着眼点から作業を進めます。
(実際の内容は変更となる可能性があります。)

受講要件
過去の当該訓練分野の経験
- 特に不要
事前に習得していることが望ましいスキル
- パソコンの基本操作、ファイル操作ができることが望ましい。
各訓練科共通要件
- 訓練に関連する職種への就職を希望している方
- 訓練を受講することに熱意を有している方
- 訓練の内容を理解するために必要な基礎学力を有している方
- 訓練受講・修了に支障がない方(健康状態・受講態度等)
受講料
無料です。
ただし、教科書代(約10,000円)については、実費負担となります。
訓練に関する職種と仕事内容
主な職種
組込みソフトウェア技術者、電気・電子技術者
組込みソフトウェア技術者、電気・電子技術者の仕事
私たちの生活を支える多くの家電製品・電子機器にはマイコン(マイクロ・コンピュータ)内蔵されています。マイコンは、炊飯器やエアコンのように自動運転するものから、スマートフォンやカーナビ、ゲーム機器などのように、高度な通信制御をする機器まで、幅広く利用されています。これらの通信制御機器開発には、ハードウェア(電子回路)技術と、ソフトウェア(プログラム開発)技術が必要となります。
「組込みソフトウェア技術者」は、機器の電子回路を理解し、組み込まれたマイコンで動作する制御プログラムを作成する仕事になります。
「電気・電子技術者」は、電気機械器具製造業、電気設備管理業等において電気設備・電気機器組み立てとその制御回路の設計および配線を行います。各種生産工場の製造部門、自動化技術部門で使用される自動機械の開発・設計や管理・保守を行います。
職種(電気・電子技術者)との相性(こんな方に向いている!)
- 新しい技術に興味と関心を持ち、自ら課題を見つけ自ら解決する意欲がある方
- 周囲と協力して目標に向かって努力することができる方
訓練により就職可能な仕事
- ソフトウェア開発技術(プログラマ、システムエンジニアリングなど)
- 電気電子制御機器の設計・開発技術/家庭電化製品の設計・開発技術
- 電気電子制御機器の組み立て、製造/家庭電化製品の組み立て、製造
求人票に記載されている職種名
システムエンジニア、プログラマ、組込みエンジニア、サービスエンジニア、制御盤制作、シーケンス制御等
就職後の仕事例(求人票より)
- プログラムの設計及び開発
- マイコンを使用した電子回路の設計
- 生産工場での自動制御設計・製作・保守等
- 製造業自動化現場の設備保全、設備改善
- 制御盤の電気回路設計
就職率
令和元年度 87.1%
平成30年度 91.9%
平成29年度 92.9%
修了者の主な就職先
- アサヒ通信株式会社(伊達郡)[生産技術]
- 三光化成株式会社(福島工場)(二本松市)[生産課]
- ソニーエナジーデバイス株式会社(郡山事業所)(郡山市)[製造技術部]
- 福島ルビコン株式会社(二本松市)[コンデンサ製造]
- エンゼル産業株式会社(岩瀬郡)[プラスチック製品成形工]
賃金情報
修了者の採用時の賃金(給与総支給額)実績
約18万円から23万円
※年齢・経験・資格・家族構成等により異なります。
訓練で習得した職業能力の就職先での活用状況
訓練を受講することにより、電子回路設計、C言語プログラミング、マイコン制御、電気・シーケンス制御の技能が修得できますので、修了すると組込み系ソフトウェア開発エンジニア、制御系・ファームウェア開発エンジニア、シーケンサ技術者、セールス・サービスエンジニアなどの仕事でこれらの基本技能を活用することができます。
就職先の仕事内容によって異なりますが、訓練で習得した技能・技術と実務経験、 OJTにより企業が期待する仕事ができるようになります。
訓練終了時に取得できる資格
なし
任意に取得する資格
訓練期間中に受講者の皆さんが習得した技能を活かして任意に受験して取得できる資格の一例です。受験手続きの説明や合格できる技能レベルへの到達は訓練中十分可能です。(※但し、合格を保証するものではありません。詳細につきましては、各実施機関へお問い合わせ下さい。)
ITパスポート試験
基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
C言語プログラミング能力認定試験
就職後のスキルアップ
就職後も、当センターで実施しています短期間の在職者向け職業訓練(能力開発セミナー(有料))を受講することで、さらにスキルを向上させることができます。当センターでは、就職後においても新たな職業能力の修得やこれまでの職業能力の更なる向上に係る相談・支援を行っています。お気軽にご相談下さい。
お問い合わせ先
ポリテクセンター福島 【訓練課 受講者第一係】
TEL
024-534-3644
FAX
024-533-6610